校長会長インタビュー 第21回 横糸に会員連携、縦糸に小中一貫
(関係団体 2023-08-08付)

―就任に当たっての抱負

 前年度に引き続き、会長の大役を担うこととなった。責任の重さに、身の引き締まる思いである。

 本会は令和5年1月、名称を根室管内小中学校校長会から、根室管内校長会に変更した。管内に義務教育学校の設置が始まったことを踏まえてのことである。また、本会専門部について、本年度から会員間の横のつながりを重視した組織体制に改善することにした。本会組織の活性と安定の両立を図るために、前年度・本年度の取組を次年度につなぐことが、自らの最大の役割と捉えている。

 また、本年度をアフターコロナ元年と位置付け、管内教育の質を高めるために、道教委・道小・道中とのつながりを今まで以上に大切にしていきたい。

―管内学校教育の特色

 根室管内1市4町、学校数は40校(小20校、中16校、小中1校、義務教育学校3校)である。前年度から義務教育学校が1校増えた。9年間を見通した小中一貫教育への転換を図るための取組が各市町で進んでいる。

 また、平成30年度から教育局・市町教育委員会連合会と本会が中心となって進めてきた「チーム根室で学力向上を!」の取組については「授業改善(改革)・人材育成・学校マネジメント」の一体的な充実推進事業の位置付けとなった。本会としての主体的な取組をさらに充実していく予定である。

―管内教育の課題と対応

 管内教育推進の重点を解決すべき課題と捉え、以下の取組を推進していきたい。

 1点目は、主体的・対話的で深い学びを実現する授業改善の推進である。本年度も本会が主体となり、管内全小・中学校の子どもを対象とした「授業アンケート~自分をフリカエル」(年2回)を実施する。さらに、教員にも同様のアンケ―トを実施するとともに、教育局と連携したアンケートの活用も検討している。

 本アンケートを主体的・対話的で深い学びの実現に向けた一つの指標として活用し、授業の検証改善サイクルを確立していきたい。

 2点目は、管内教育の推進を担う人材の育成である。喫緊の課題としては、教頭候補者の育成である。候補者の資質・能力の向上に資する研修機会を設定するとともに、昇任時の配慮等に関わる要望活動に取り組んでいきたい。

 人材育成の課題の根底には、地元出身教員の少なさがある。中・長期的な視点に立ち、高校生のインターンシップ受け入れの協力等、管内の子どもが教職への志望意欲を高める取組を進めていきたい。

 3点目は、小中一貫教育の推進である。管内では、本年度義務教育学校の開校が1校あり、さらに次年度は、もう2校の開校が予定されている。また、全小・中学校の一貫教育化を目指している自治体もある。

 本会としては、小・中両校種の校長が会員であることを生かして、会員間の連携を横糸として、小中一貫の縦糸をより確かなものにしていきたい。

―アフターコロナへの対応

 アフターコロナにおいても、オンラインと集合を織り交ぜて会議等を実施することにした。1市4町に部員がまたがる専門部会は、オンライン会議を中心に実施し、横のつながりの強化を図っていく。また、本会の研究大会と経営研究大会については、集合形式で1日日程にまとめることにした。

 ハイブリッドの発想で、各市町・学校の情報共有の深化を図っていきたい。

―教育信条

 「守・破・離」を大切にしている。令和の日本型教育の構築を目指すために、学校は「破」の段階を迎えていると感じる。言い換えると「転換」である。型を破った取組に安心感を持って転換できるよう、学校経営や本会の運営を推進していきたい。

根室校長会会長 近藤 康 氏

 昭和61年道教育大旭川分校卒。根室市立花咲小を振り出しに、平成14年中標津町立若竹小教頭、23年根室市立厚床中校長、25年標津町立標津小校長、27年中標津町立中標津中校長、29年根室市立成央小校長、令和元年別海町立上西春別小校長。

 昭和39年1月4日生まれ、59歳。根室市出身。

(関係団体 2023-08-08付)

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