全国特支知的障害教育校長会が大会　共生社会の実現目指し　栗山氏講演や７分科会など

（関係団体 2023-08-08付）

共生社会の実現に向けて２５０人が研鑚を積んだ

　全国特別支援学校知的障害教育校長会、道特別支援学校知的障害教育校長会主催による第４６回全国特別支援学校知的障害教育校長研究大会北海道（札幌）大会が３日から２日間、ホテルライフォート札幌で開かれた。北海道日本ハムファイターズ前監督で第５回ＷＢＣ日本代表監督を務めた栗山英樹氏による講演や７つの分科会などを実施。全国から２５０人が集い、共生社会の実現に向けた学校経営の在り方を探った。

　大会主題は「共生社会の実現に向けて、全ての子どもたちの可能性を引き出す学びの実現を目指す学校経営の在り方“全ての子どもたちの可能性を引き出し、伸長する教育と特別支援学校経営の課題”」。

　初日の開会式では、大会長を務める全国特別支援学校知的障害教育校長会の米谷一雄会長があいさつ。今後、交流・協働学習を通して、障がいのある子どもと障がいのない子どもが共に学ぶ共生社会の実現に向けた取組が一層求められると強調する一方で、専門性を有する人材育成や教員不足が喫緊の課題になっていると指摘。教員目線での働き方に視点を置きながら教育的ニーズを受け止めて学校経営を進める必要性を示した。

　来賓祝辞では、文部科学省初等中等教育局特別支援教育課の加藤宏昭特別支援教育調査官、道教委の山本純史学校教育監、札幌市教委の竹村真一教育次長がそれぞれ登壇。

　加藤調査官は、知的障がい教育における各教科等の指導について、子どもたちの日常生活に直接つながる学習活動のみにとどまらず、子どもたちの将来の充実などに必要な資質・能力を育成する視点で実施する重要性を説いた。

　引き続き、栗山氏が「チーム（組織）をまとめる力　マネジメント力とは～監督の経験から」と題して講演した。

　はじめに、日本ハムファイターズの監督時代について「人を育てること、人のためになることとはどういうことなのかについて常に考えていた」と回顧。ＷＢＣ侍ジャパンの監督就任時には「自分自身がどういうチームだったら戦いたいかを考えてチームづくりをした」と振り返った。

　また、大会中におけるダルビッシュ有選手、源田壮亮選手、村上宗隆選手、大谷翔平選手ら各選手との関わりについて紹介。劇的な逆転勝利を収めたＷＢＣ準決勝の試合も取り上げ、選手たちの試合にかける思いや諦めない心、熱い気持ちを代弁した。

　このあと①学校経営②教育課程（幼・小・中学部）③教育課程（高等部）④キャリア教育⑤小・中学校・高校への支援⑥関係機関との連携⑦専門性の向上―の７分科会による発表および報告を行った。

　２日目は、国立特別支援教育総合研究所の長江清和上席総括研究員兼発達障害教育推進センター長ら４人の研究員が情報提供したほか、加藤調査官が「これからの特別支援教育に求められるもの」と題して講演した。

(関係団体 2023-08-08付)