北特研と北斗高支が道南地区大会 個別最適な指導充実へ 部会別協議 130人が研鑚(関係団体 2023-08-09付)
北特研・北斗高支 道南地区大会
【函館発】道特別支援教育研究協議会(山本貴路会長)と北斗高等支援学校(澤田崇史校長)は7月31日、第45回道南地区大会兼全道研修会兼北斗高等支援学校夏季研修会を同校で開催した。会員および特別支援教育に携わる教育関係者ら約130人が参加。全体講演や部会別協議を通して、障がいのある子ども一人ひとりの自立や社会参加を見据えた個別最適な指導・支援の充実を目指した。
知的障がい部門を有する道内の特別支援学校の教育活動を研究し、道南地区における様々な実践に触れることでインクルーシブ教育システムの構築や各地域の知的障がい教育の充実・発展に寄与することを目的としている。
研究期間を3ヵ年とする第21次研究は「特別な配慮を必要とする子どもたちがその可能性を最大限に伸ばすための指導・支援、将来の自立と社会参加に必要な力を育成するための適切な指導・支援を目指して」を研究主題に設定。
講演では、道教育大学札幌校の平野直己教授が「適応という観点から見た不登校の理解と対応」をテーマに多様な背景を持つ不登校児童生徒の指導・支援の在り方を解説した。
「教育課程」「校内研究」「進路支援」「学校・地域連携」の4部会で実施した協議では、共生社会の実現に向け、個別最適な学びと協働的な学びに取り組む各校の実践を共有。
教育課程部会における発表者のうち、伊達高等養護学校の西川満教諭は「グランドデザインとシラバスについて」をテーマに3年間における各教科の指導内容や評価の観点の概要を示したシラバスを作成している同校の実践を発表した。
指導の詳細を教職員側で把握できるよう、単元計画と合わせて作成することで「自分たちが目指す指針を共有することができた」「転任者や新任者が授業内容を把握しやすくなった」などの成果を挙げた。
一方「シラバスの内容について情報共有を吟味する場がいまだ不十分」などの課題を踏まえ、自学科実習や各教科の授業の見直しを進めるとともに目指す学校像と生徒像の共通認識、校内研修に取り組んでいく姿勢を示した。
進路支援部会では、北斗高等支援の長谷川祐也教諭と日本障害者・高齢者生活支援機構の田中慎一理事長が「道南地域における企業と学校のつながり」をテーマに学校と企業が情報共有する「業種別交流会」の取組を発表。
卒業後の離職防止や企業が望む人材育成に向け、企業の求める人材や学校側の困り感を共有できたことを周知した。
田中理事長は企業側の視点として「ハンディキャップがあるという漠然としたイメージが払拭できない」など障がい者雇用に対する認識の隔たりがあることを指摘。
障がいの有無にかかわらず「長く勤められる人材が必要。職業技能だけではなく、礼儀正しさや自主性などコミュニケーション能力のある生徒が長く勤められる傾向にある」とし、求められる人材を分析した。
孤立させない支援や定着は新規雇用にもつながるとし「信頼される学校になるため、失敗例も明かすなど教職員と企業が本音で話し合える環境が必要」と呼びかけた。
各部会では事例発表について助言者による振り返りを実施。参加者は就労支援や地域連携の効果的取組について、実践の継続を誓った。
(関係団体 2023-08-09付)
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