道高校長協会家庭部会が研究協 生活を創造する力育成 森高、小樽水産高が実践発表
(関係団体 2023-08-16付)

道高校家庭科教育研究協議会

 道高校長協会家庭部会(古市俊章部会長)は1日から2日間、札幌市内のかでる2・7で第72回道高校家庭科教育研究協議会を開催した。全道各地から94人が出席し、研究主題「よりよい生活を創造する力をはぐくむ家庭科教育の充実を目指して」のもと、研究発表や分科会などを通して研鑚を積んだ。

 家庭科教育に関する諸問題を研究し、会員の資質向上と道高校家庭科教育の振興を図ることが目的。

 開会に当たり、古市部会長があいさつ。成年年齢引き下げに伴って「生涯にわたって必要な消費者教育が一層重要。ライフプランを見据えた、高い目標意識を持つ生徒を育成するため、実り多い2日間にしてほしい」と述べた。

 また、道教委高校教育課の相馬利幸課長が来賓あいさつ。4年ぶりの参集を喜び「道教委として、学習指導要領の趣旨に基づいた授業改善が円滑に進むよう教育課程編成や研修機会の充実に努めたい。多くの収穫を持って帰り、学習指導の工夫改善に生かして」と話した。

 全体会Ⅰでは「家庭クラブの指導」と「家庭科技術検定の実施」などの説明があったあと、研究発表。

 提言Ⅰでは、森高校の金子真実教諭が「変化への対応と普遍性の追求~“子どもの発達を促す木のおもちゃ”の研究を軸に」と題して、社会の変化に対応する家庭科教育の充実を目指す教育課程の編成・実施の工夫と改善を観点とした発表を行った。

 檜山振興局林務課からの呼びかけを発端に、保育園実習で使用するおもちゃ製作に檜山の木を有効活用する方針を立てた。単元「子どもの発達と保育」において、独創性のある設計図を作成する課題を出し、専門家監修のもと、デザイン案をまとめた。生徒は制作意図や安全に遊ぶための約束をレクチャーしたビデオレターと共におもちゃを森幼稚園に寄贈した。

 実践の成果として、自分たちの考えが形になった経験や、おもちゃや遊びを通じて温かなつながりをつくった体験が生徒の財産となったことを紹介した。

 このほか、単元「生活文化」の取組として、地歴公民科と連携した「茅部栗物語絵本化プロジェクト」や日本語学校の学生との交流「森高生×留学生 平和を語る」などを紹介した。

 提言Ⅱでは、小樽水産高校の遠藤由希子教諭が「分散で実施した被服実習の授業紹介~コロナ禍での被服実習における評価の工夫と改善」をテーマに、基礎的・基本的な知識や技能の習得を目指す学習指導と評価の工夫と改善という観点から発表した。

 漁具や船の装備カバー等を補修・修繕するため、手縫い技術の習得が不可欠な生徒たちに、分散実習を余儀なくされた中、弁当袋の縫製実習を通じて、いかに基礎的な技術を習得させるかを研究した。今後の課題として、どの程度の縫い目で修正させるかなどの「お直しポイント」の統一が困難を極めたことや観点別評価を分かりやすく提示する必要性、毎時間の学習目標の達成度がより明確に分かる方法の発見などを挙げた。

 提言別に分科会を設けて協議したあと、全体会Ⅱでは各分科会の協議内容を報告した。

 2日目は、食生活、被服、ライフデザイン、消費生活の4テーマでグループ別体験研修講座を実施し、参加者たちは各テーマの理解を深めた。

(関係団体 2023-08-16付)

その他の記事( 関係団体)

上川管内校長会 法制研究会等 学校課題解決へ研鑚 定年年齢引上げ、入選など

上川管内校長会法制研究  【旭川発】上川管内校長会(南部和紀会長)は1日、旭川市内の上川教育研修センターで5年度法制研究会・教育経営研究会を開催した。一般会員と来賓を合わせて92人が参加。定年年齢の引き上げなどの説...

(2023-08-18)  全て読む

道高校倫理・公共研究会調査 自己有用感育む仕掛けを 現状肯定、将来の諦念強く

表  道高校「倫理」「公共」研究会(鈴木究会長)は高校生、保護者の意識の変化に関する研究をまとめた。授業や学校行事に対する生徒の満足度は約8割、人間関係では約9割と高い一方、「将来、社会で求めら...

(2023-08-18)  全て読む

自立活動教諭らが研修会 安全・安心な摂食指導を 講演や実技講習で研鑚積む

摂食実技研修会  道自立活動教諭研究協議会(高木美穂会長)は4日から2日間、道立特別支援教育センターなどで肢体不自由教育摂食実技研修会を開いた。医師および歯科医師による講演や、スムーズな嚥下をサポートするオ...

(2023-08-18)  全て読む

石狩管内小中教頭会 夏季研修会 人材育成の“場”を リズム学園の井内氏講話

教頭会夏期研修会  石狩管内小中学校教頭会(高橋潤一会長)は1日、江別市民会館で夏季研修会を開催した。会員ら100人が参加。学校法人リズム学園の井内聖学園長の「活力ある学校づくりにおいてリーダーに求められるこ...

(2023-08-16)  全て読む

垣根越えて活発に交流 道高校教頭・副校長会オホ支部研究協

北見北斗高校教頭会夏季研究協議会  【網走発】道高校教頭・副校長会オホーツク支部(中西正志支部長)は8月初旬の2日間、北見北斗高校で夏季研究協議会を開いた。管内高校・特別支援学校の副校長・教頭ら約30人が参加。研究発表や講話...

(2023-08-16)  全て読む

上川管内いじめ対策連絡協が会合 学校全体で組織的対応 不登校児童生徒支援充実など

上川教育局いじめ等対策協議  【旭川発】上川管内地域いじめ問題等対策連絡協議会は7月24日、上川合同庁舎で5年度第1回会合を開催した。オンライン参加を含めて管内の教育委員会や校長会、PTA連合会などから関係者47人が出...

(2023-08-10)  全て読む

校長会長インタビュー 第23回 教育は人なり、人は心なり

校長会長インタビュー(札幌市中学校) ―就任に当たっての抱負  社会構造の変化や急速な技術革新等による多様な教育的ニーズに応じた指導の充実、家庭や地域との連携の一層の推進など、持続的で魅力ある学校教育の実現が求められている。 ...

(2023-08-10)  全て読む

北特研と北斗高支が道南地区大会 個別最適な指導充実へ 部会別協議 130人が研鑚

北特研道南大会  【函館発】道特別支援教育研究協議会(山本貴路会長)と北斗高等支援学校(澤田崇史校長)は7月31日、第45回道南地区大会兼全道研修会兼北斗高等支援学校夏季研修会を同校で開催した。会員および特...

(2023-08-09)  全て読む

校長会長インタビュー 第22回 子の成長、教員の力量向上へ努力

校長会長インタビュー徳田 ―会長就任に当たっての抱負  札幌市小学校長会では、本年度「札幌市の教育が目指す人間像“自立した札幌人”の実現に資するよう、校長としての役割と指導性の研鑚など、職能向上に努め、本市教育の振...

(2023-08-09)  全て読む

北小英研 5年度総会 11、12月に研究大会 役員改選 関会長を再任

 道小学校英語教育研究会(北小英研、関敏明会長)は7月24日から5日間、5年度総会を紙面開催した。11月に第65回道小学校・中学校・高校英語教育研究大会、12月に第1回道小学校英語教育研究大...

(2023-08-08)  全て読む