札幌新琴似南小　研修実践会　自分に合った学び選択　５年算数　多様な学習法用意

（札幌市 2023-07-26付）

　札幌市立新琴似南小学校（加藤勝宏校長）は１９日、同校で研修実践会を開催した。研究主題「子どもも　先生も　楽しい授業～学ぶことに価値を感じ、他者を認め、学び合う風土の形成」のもと、算数の４授業を公開。５年生の授業では、多様な学習方法を用意し、児童自身が自分に合った学び方を選択できる手だてを講じた。

　同校は、研究主題を「子どもも　先生も　楽しい授業～学ぶことに価値を感じ、他者を認め、学び合う風土の形成」、副主題を「特別支援教育の視点を取り入れた安心して学べる場の保障」と設定し、算数を窓口に研究を進めている。

　研究の視点として①「分かった」「できた」を実感できる授業づくり②「みんなで学んでよかった」を実感できる教師の関わり―の２点を位置付けている。また、副主題に基づき、焦点化、視覚化、共有化の３つの手だてを大切にしている。

　公開した授業のうち、５年１組「合同と三角形・四角形」（中山明朗教諭、児童数２９人）は、三角形ＡＢＣと合同な三角形を作図するために必要な情報を調べる活動を設定。多様な学習方法の中から児童自身が自分に合った学び方を選択できる環境を整え、学びの個性化を図る授業を展開した。

　中山教諭は導入で、三角形ＡＢＣを提示し「合同な三角形の書き方を考えよう」と問題を投げかけた。辺ＢＣの長さが分かっているため「頂点Ａの位置が分かれば作図できる」という考えを引き出し、ゴールを明確化。考える内容を焦点化した。

　頂点Ａを見つけるために必要な情報を整理し、辺と角度に着目すると良いことを全体で共有。最初に何をすべきか明らかにすることで、見通しを持って活動に取り組めるようにした。

　調べ活動を始めるに当たり、中山教諭は「教科書を見てみよう」「コンパスや分度器で測ってみよう」「デジタル教科書の図を動かしてみよう」「黒板に書いてある考えを使おう」「友達に聞いてみよう」など多様な学習方法を提示。

　児童たちは、席を立って友達に分からないところを聞いたり、板書を参考にしたり、端末を使って調べたり、それぞれ自分に合った学び方を選択して活動。「もっと学び合いたい」「学びを深めたい」という意欲を喚起した。

　また、全員が応用問題に取り組む場面を設定し、個々の児童の学習の進め方に応じて発展・活用や学び直しができるようにした。

(札幌市 2023-07-26付)