道教委　ＣＦモデル事業を選定　札幌啓成な　　ど高特３校に　観光・農業分野で地域創生

（道・道教委 2023-09-08付）

　道教委は道立学校ガバメントクラウドファンディング事業の対象事業に札幌啓成高校、静内農業高校、中札内高等養護学校が提案した３事業に決定した。札幌啓成高は旅行者にとって魅力的なエリアを探究し、地理情報システム「ＧＩＳ」を活用して地図化する。静内農業高は地域の主力農作物の茎部の炭化利用に関する調査研究を計画しており、中札内高等養護はまちづくりへの寄与や植栽への意識を高める各種取組を展開する予定だ。

　事業は、学校や地域の課題解決および活性化、特色ある教育活動の充実を図るため、ふるさと納税制度を活用して本年度から取り組むもの。事業選定委員会で道立学校の特色ある取組３事業を選定した。

　札幌啓成高が取り組む「札幌啓成高校Ｆｕｔｕｒｅ　Ｖｉｓｉｏｎ　私たちの“地元ガイドマップ”を作ろう」は、生徒自ら周辺地域のフィールドワークを行って得た情報を検討し、旅行者などにとって魅力的なエリアを探究。それら地域の魅力を結ぶルートを「地理総合」で学習したＧＩＳ技法を利用し地図化する。成果を製本・印刷し、地域の企業・施設などに配布して地域創生につなげる。

　返礼品は、同成果物のほか、同校で年４回発行している学校新聞を寄付者に対して定期的に送付する。

　静内農業高の事業は「地球温暖化の抑制を目指したカーボンマイナスプロジェクト」。耕種型農業における土壌への炭素貯留の方法と効果について、バイオ炭を活用した栽培・地域の主力農作物（ミニトマト、ピーマン）の茎部の炭化利用の調査研究を関連機関と連携して進める。

　また、地域の小中学生を対象としたアウトリーチ活動を行うことで、生徒に環境問題に関する課題をより深く理解させる。

　返礼品は、みそ製品詰め合わせなど同校の農産加工品を予定している。

　中札内高等養護は「花と緑の村づくり～中札内高等養護学校農業科のまちづくりへの取組」を計画。まちづくりテーマ「みんなでつくる自然と笑顔になるまち・なかさつない」のもと、農業科で育てた花や学校で主催する学習会等を通してまちづくりに寄与するほか、子ども向けの植物に関する学習会や村民に向けての講演会などを企画。村民自らが村の植物に関心を持ち、植栽への意識を高める。

　返礼品は、農業科で育てた花の贈呈を予定している。

　３校は、今月下旬に寄付募集を行い、１０月下旬をめどに事業を開始する方針だ。

(道・道教委 2023-09-08付)