道教委 特別支援管理職対象研修会 学びの場検討 継続的に 長野県教委・大日向氏が講話(道・道教委 2023-09-13付)
道教委は8月30日、オンラインで教育委員会および特別支援学校管理職のための特別支援教育に関する研修会を開いた。長野県教委の大日向洋介指導主事が「通常の学級における支援の充実と連続性のある多様な学び場の整備~特別な学びの場ガイドラインの活用」をテーマに講話。全ての教員に障がい特性等に関する理解促進を図るとともに、多様性を認め合える学級経営・授業づくりなどの特別支援教育に関わる支援力を身に付けさせる必要性を示した。
市町村教委や特別支援学校管理職を対象にした同研修は、特別支援学校や特別支援学級に在籍する児童生徒数が増加する中、就学時に決定した学びの場の柔軟な見直しが図られるよう適切な学びの場を検討するための具体的な手順や学びの場の見直しのポイントなどについて理解を深め、今後の教育支援の充実につなげるもの。214人が参加した。
開会に当たり、道教委の堀籠康行特別支援教育担当局長があいさつ。近年、通常の学級に在籍する発達障がいを含む特別な教育的支援を必要とする児童生徒の割合や、特別支援学級に在籍する児童生徒や通級による指導を受けている児童生徒数が増加している現状を報告。その上で、研修成果を踏まえ、各市町村における連続性のある多様な学びの場の整備に生かすよう期待した。
引き続き、大日向指導主事が「通常の学級における支援の充実と連続性のある多様な学び場の整備~特別な学びの場ガイドラインの活用」をテーマに講演した。
はじめに、中教審の特別支援教育の在り方に関する特別委員会の最終報告に触れ「一度学びの場が決まったらずっと同じ場で学ぶのではなく、学びの場を判断した後も子どもたちの育ちをしっかりと据え、関係者が連携しながら必要な支援や教育的対応、学びの場についての検討を継続的に行うことが大切」と説いた。
また、通常の学級に在籍する特別な教育的ニーズの児童生徒数が年々増加している現状にも触れ、通常の学級担任を含めた全ての教員に障がい特性等に関する理解、授業のユニバーサルデザイン化や合理的配慮の提供を前提とする多様性を認め合える学級経営・授業づくりなどの特別支援教育に関わる支援力が求められていることを強調した。
これらを踏まえ、長野県教委の課題として挙がった①特別支援学級や通級による指導と通常の学級との連携が十分ではない②学びの場の見直しの検討が十分になされていない③校内教育支援委員会が十分に機能していない―の3点を報告。これら課題を解消し児童生徒一人ひとりが適切な学びの場で適切な支援が受けられる校内体制を構築していくために、2年9月に「適切な学びの場ガイドライン」を作成したことを伝えた。
ガイドラインでは、適切な学びの場を検討するための具体的な手順や通常の学級・通級・特別支援学級それぞれの学びの場での適切な支援の在り方、校内教育支援委員会の役割、校内での特別支援教育への体制づくり、学びの場の見直しのポイントなどを記載。このほか、それぞれの学校で事例と同じようなことが起きていないか立ち止まって考えてもらう機会とするため、あえて好ましくない事例を掲載したことを伝えた。
さらに、長野県教委の様々な事例から適切な学びの場と判断と見直しや、通級による指導の充実に向けた取組と課題について説明した。
(道・道教委 2023-09-13付)
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