帯教研 大妻女子大・樺山教授講演会 「学びの文脈」意識して 個別最適、協働的な学びへ
(関係団体 2023-09-13付)

帯広市教育研究会教育講演会
帯広市教育研究会教育講演会

 【帯広発】帯広市教育研究会(川上裕明会長)は6日、帯広市民文化ホールで教育講演会を開いた。大妻女子大学の樺山敏郎教授が「個別最適な学び・協働的な学びを実現する実践プラン」と題して講演。学びの文脈を意識した授業づくりのポイントを解説した。

 講演会は、新しい時代の教育の在り方が問われる中、多様な教育課程に対応できるよう、市内教職員が自らの資質の向上を図るとともに、市内の学校教育の一層の振興を図ることが目的。

 大妻女子大家政学部児童学科児童教育専攻、同大大学院人間文化研究科人間生活科学専攻の樺山教授はこれまで、小学校教諭、教育委員会指導主事、文部科学省国立教育政策研究所学力調査官等を歴任。「主体的・対話的で深い学び」に向けた授業づくりなど、今日的な教育課題に即した著書を複数冊手がけている。

 この日、樺山教授は「個別最適な学び・協働的な学びを実現する実践プラン」と題して講演。学習者が学びの連続性や発展性を考えながら資質・能力の拡張と共創を生み出す「学びの文脈」をキーワードに据えた。

 学びの文脈を意識した授業づくりに関して、ルーブリック評価を活用した自由進度学習を例示。「教えたいことを学びたいことに替えることが重要」「子ども一人ひとりの思いを聞くことから個別最適化が始まる」と伝えた。

 個別最適な学びには、誰一人取り残さない確かな習得のための「指導の個別化」、探究において最適となるよう個々が調整を図る「学習の個別化」の2つの側面があることを強調。子どもが自分にふさわしい学びを模索することに価値を置くため、双方の一体化を図る必要があることを説いた。

 また「学びの文脈」は、特定の文脈における複雑な要求を十分に満たす資質・能力「キー・コンピテンシー」に由来することを説明。「現在の学びがどの文脈で生きるか」「様々な文脈の中で、得た学びを組み合わせて目標の実現に達するか」を子どもが実感する大切さを伝えた。

(関係団体 2023-09-13付)

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