ヒヤリハット放置が重大事故に 子の自殺防止徹底を 日高局 生徒指導緊急会議(道・道教委 2023-09-21付)
【苫小牧発】日高教育局は8日、オンラインで「生徒指導に係る緊急オンライン会議」を開いた。長期休業明けに増える子どもの自殺防止の徹底を図るため、管内教育委員会と初動対応等についてあらためて共通理解を図った。鈴木毅教育支援課長は「ヒヤリハットの放置が重大事故につながる。決して見逃さず適切な対応を」「アンテナの高さも大事だが、教師側から積極的に電波を発して異常事態を探索するソナーも大切」などと訴えた。
管内における生徒指導上の諸課題に係る危機管理および危機発生時の初動対応等について、教育局と町教委との共通理解を図ることが目的。
冒頭、鈴木教育支援課長があいさつ。「4年の児童生徒の自殺者数は全国で514人と過去最多となり大変憂慮すべき状況にある」「18歳以下の自殺は学校の長期休業明けに急増する傾向にあり、本道、当管内でも決して対岸の火事とは言えず、深刻な状況と言っても過言ではない」などと述べ「本日の内容を、所管する小・中学校に確実に伝え、全教職員が高いレベルで危機意識を共有してほしい」「10日からの自殺予防週間は地域全体で子どもを見守る働きかけを」などと求めた。
続いて、教育局がいじめの重大事態について説明。「疑いがある段階で調査を開始しなければいけない」「本人や保護者から申し出があった場合も必ず報告・調査を始めること」などと対応の徹底を促した。
また、自殺事案の対応について説明。日頃から悩みを抱える児童生徒に寄り添い、教育相談を充実させ、「~させる」指導から「支える」指導への転換、共感的理解によって成長を支える指導などを求めた。
また実際に事案が発生したときの初動対応について説明。「自殺の要因を安易に決めつけず、当事者が視野狭窄に陥らないよう、収集した情報を俯瞰的に見て」「学校と遺族が協力関係が築けるよう遺族の思いを受け止め、説明を行うなどの支援を」などと求めた。
さらに、自殺予防教育の推進について「SOSの出し方を含め、自殺予防教育を教育課程に位置付けて組織的・体系的な取組を」「全ての学校で9月末までにアセスメントツールなどで児童生徒を客観的に把握し心のケアを」「児童生徒のサインを感じたら、速やかに情報共有すること。緊急度を踏まえ設置者とも情報共有することとしているが、それがどの程度かを学校と共有しておいてほしい」などと要請した。
意見交換後、鈴木課長が①ハインリッヒの法則を踏まえた危機管理意識の醸成②アンテナとソナーの意識を持った児童生徒理解③教職員の心の健康―の3点に言及。
「ヒヤリハットのうちに適切な対応を取っていれば重大事故につながる可能性は下がるが、放置すればいずれ起こる。ヒヤリハットの時点で学校として情報共有し、決して見逃さない対応を」「子どもからの電波に気付く高いアンテナも大事だが、それだけではなく、教師側から積極的に電波を発して異常事態を探索するソナーも大切」「例えばソナーという意識であいさつし、表情、声の大きさ、態度などからいち早く危機を察知している方がどれだけいるか。日常的なことを“ソナー”という意識であらためて確認し、子どもの心の変化の早期発見に努めてほしい」「子どもの心と教職員の心の健康は密接な関係にある。特に新卒の先生、若い先生がこの時期に心の不調を感じやすいので、配慮をお願いする」などと求めた。
(道・道教委 2023-09-21付)
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