教師を取り巻く環境改善へ 教育界一丸で改革を 全国教委連会合で鈴木企画官
(国 2023-09-27付)

全国市町村教育委員会連合会理事会
全国市町村教育委員会連合会理事会

 全国市町村教育委員会連合会(田邊俊治会長)は21日、ホテルライフォート札幌で第3回常任理事・理事会を開催した。文部科学省初等中等教育局企画官の鈴木文孝氏が「学校における働き方改革、教師の処遇改善、指導・運営体制の充実の一体的な推進について」と題して講演。6年度予算概算要求に盛り込んだ各種施策の実現に向け、教育界が一丸となって改革に取り組む必要性を訴えた。

 会合の道内開催は平成26年度以来9年ぶり。全国都道府県の市町村教育委員会教育長約50人が参加した。

 開会に当たり田邊会長は、8月末に示された中教審特別部会の緊急提言について「今後の教員確保や働き方改革の取組の礎となるもの。教育委員会が一丸となって取組を進める必要がある」と述べ、結束を呼びかけた。

 道教委の倉本博史教育長、文科省の鈴木企画官による来賓あいさつに続き、開催地を代表して道町村教育委員会連合会の武岡和廣副会長が登壇。変化する時代に立ち向かう教育委員会の責務に触れ「最新の情報や先駆的な取組を共有し、教育の質の向上に向けた活動を最前線に立って進めなくてはならない」と述べた。

 続いて鈴木企画官が「学校における働き方改革、教師の処遇改善、指導・運営体制の充実の一体的な推進について」と題して講演。6~8年度を集中改革期間とし、教職調整額の見直しや新たな手当の創設など給与体系の改善に踏み込んだ「骨太の方針2023」について「教育分野でこれほど記載することは初めてであり、歴史に残る方針となる。われわれとしても不退転の決意で今回の改革に臨みたい」と力を込めた。

 また、学校・教師が担う業務の適正化を一層推進するため授業時数や学校行事の見直しを要請。特に年間の標準授業時数を大幅に上回る学校がある場合、確実に見直しを行うよう呼びかけた。

 6年度予算概算要求の新規・拡充事業についても解説。1万人以上となる教職員定数の改善、教員業務支援員の全校配置、主任・管理職の手当改善など今後の計画を示した。

 「財政当局の壁は非常に高いものがある。しかし、少なくとも日本の未来を創るためにはこれらの教育予算を獲得しなくてはならない。市町村教委をはじめ、全国の教育関係者が一丸となって要望の声を上げ、必ず今回の改革を成功させてほしい」と協力を呼びかけた。

(国 2023-09-27付)

その他の記事( 国)

文科省 問題行動等調査 不登校 16%増1.3万人 いじめ重大事態、暴力も増加

問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果表  文部科学省は4日、4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果を発表した。道内公立・私立学校における不登校の児童生徒数は1万3439人で過去最多を更新。いじめの認知...

(2023-10-06)  全て読む

自治体の負担軽減へ 盛山大臣 緊急提言受け予算検討 端末更新等の基金創設

 盛山正仁文部科学大臣は9月29日の記者会見で、1人1台端末の更新費用等に充てる基金の創設を盛り込んだ自民党文部科学部会の緊急提言を受け、10月末をめどに取りまとめる総合経済対策に対応してい...

(2023-10-03)  全て読む

新・防災教育チャレンジプラン開始 学校・地域連携等重点に IT企業技術用い取組支援

 防災教育に意欲的に取り組む学校等から防災教育の計画を募集し、その実践を支援する「防災教育チャレンジプラン」。来年度から「新・防災教育チャレンジプラン」として再スタートする。新たな重点テーマ...

(2023-10-02)  全て読む

文科省 学校保健・学校安全表彰 旭川緑新小 菊地氏ら6人 標津高が学校表彰の栄誉

 文部科学省は学校保健・学校安全表彰(文部科学大臣表彰)の5年度受賞者を決定した。道内から学校保健関係で旭川市立緑新小学校学校医の菊地浩一氏ら6人が受賞の栄に浴した。学校安全関係では地域に特...

(2023-09-29)  全て読む

反論踏まえ制度設計見直し 臨時国会提出見送り 「日本版DBS」創設法案

 政府は、子どもと接する仕事に就く人に性犯罪歴がないことを確認する「日本版DBS」の創設に向けた法案について、秋の臨時国会への提出を見送る方針だ。このほどまとめた報告書の内容に対して相次いで...

(2023-09-28)  全て読む

運動部活動地域移行でスポーツ庁 実践研究事例集を作成 沖縄県うるま市の取組など

 スポーツ庁は、運動部活動の地域移行等に関する実践研究事例集をまとめた。4年度地域運動部活動推進事業における各自治体の実践研究の成果などを掲載。沖縄県うるま市が民間事業者と部活動の地域移行に...

(2023-09-27)  全て読む

こども誰でも通園 議論開始 利用上限 月10時間で検討 来年度 試験事業本格実施へ

 こども家庭庁は、6年度予算概算要求に盛り込んだ仮称・こども誰でも通園制度の創設に向けた検討を開始した。21日に開いた初会合では、来年度実施を予定している試験事業の対象を6ヵ月~2歳とし、利...

(2023-09-25)  全て読む

経産省 子の多様な才能開花へ 企業、大学等が学び提供 学校外にサードプレイス

 経済産業省は6年度から、学びと社会の在り方改革推進事業への着手を計画している。子どもの多様な才能を開花させるため、民間事業者・大学・NPO法人が中心となって学校外での学びを提供する「サード...

(2023-09-22)  全て読む

盛山新文科相が就任会見 「大変厳しい」対応を予測 端末更新費用の財務交渉

 盛山正仁新文部科学大臣は14日、就任に当たっての記者会見に臨んだ。  はじめに「文部科学省が担当する教育、科学技術、学術、スポーツ、文化芸術それぞれの分野の課題と向き合い、勉強しながら文...

(2023-09-19)  全て読む

文科大臣に盛山氏 13日付で就任

 岸田文雄内閣の第2次内閣改造に伴い、盛山正仁(もりやま・まさひと)衆議院議員が13日付で文部科学大臣に就任した。平成13年の文科省設置後、23代目の大臣となる。  盛山大臣は昭和52年東...

(2023-09-15)  全て読む