文科省 学校保健・学校安全表彰 旭川緑新小 菊地氏ら6人 標津高が学校表彰の栄誉
(国 2023-09-29付)

 文部科学省は学校保健・学校安全表彰(文部科学大臣表彰)の5年度受賞者を決定した。道内から学校保健関係で旭川市立緑新小学校学校医の菊地浩一氏ら6人が受賞の栄に浴した。学校安全関係では地域に特化した避難所運営教材を作成するなど地域全体の防災意識の向上に取り組んでいる標津高校が選ばれた。

 表彰は、学校保健および学校安全の普及と向上に尽力し、多大な成果を上げた個人、学校、団体を文科大臣が表彰し、学校保健・学校安全の振興に資することが目的。また、子どもの安全・安心な学校教育活動に貢献する優れた活動を行っている団体に学校安全ボランティア活動奨励賞を贈り、学校安全に資することをねらいとしている。

 本年度は、学校保健関係で学校医63人、学校歯科医41人、学校薬剤師38人、校長6人、養護教諭2人の計150人と学校12校、学校安全関係では個人2人と学校18校28団体が受賞した。

 表彰式は10月26日、兵庫県で開催される5年度全国学校保健・安全研究大会の席上で挙行する予定。

 道内受賞者・団体の功績概要はつぎのとおり。=敬称略=

【学校保健】

▼学校医

▽菊地浩一(旭川市立緑新小)

 長年にわたり開業医(小児科医)として地域医療の発展向上に努めるとともに、平成元年4月から今日までの34年間、旭川市立緑新小学校学校医として児童の健康管理に尽力した。

 また、健康教育や健康相談、インフルエンザや新型コロナウイルス感染症などの予防や発生の際、専門的な立場から適確な指導助言を行い、学校保健の向上に多大な貢献をした。

▽行木紘一(弟子屈高)

 平成5年から今日までの30年間、弟子屈町内の全小・中・高の学校医を務め、児童生徒の保健管理及び指導に尽力しているほか、健康管理医としても永年勤務し、教職員の健康管理に対する取組も行ってきた。

 また、長年にわたり開業医として地域医療に取り組んでおり、外来、在宅、連携交流を柱に地域医療ニーズに応えた活動をするなど、その功績は誠に顕著である。

▼学校歯科医

▽金子光則(室蘭市立翔陽中)

 昭和50年4月から48年にわたり室蘭市内の小・中学校の学校歯科医として、児童生徒の定期歯科検診はもとより、日常の口腔衛生思想の普及に向けた個人指導および集団指導に積極的に取り組み、児童生徒の口腔衛生活動に多大な貢献をした。

 また、市における保健事業において1歳6ヵ月児健診・3歳児健診・フッ素塗布事業等の健診事業、祝日の救急歯科医療を実施するほか、市民対象の健康教室において講師を務めるなど、広く市民に対する口腔意識向上と健康増進活動に大きく寄与した。

▽藤川隆義(北広島市立緑陽中)

 昭和58年4月から今日にわたり、学校歯科医として生徒の定期歯科健診はもとより、健康教育や食育、健康相談等を専門的な立場で指導助言するなど、生徒の健康保持増進に尽力し、学校保健の充実に寄与した。

 また、平成18年から21年まで道歯科医師会、日本学校歯科医会、道学校保健会の要職を併任し、その知見を養護教諭への講話や学校歯科医への指導に生かすなど、学校歯科保健の啓発、普及向上に大きく貢献した。

▽小島健(札幌市立平岡公園小)

 平成3年から今日まで札幌市立小学校の学校歯科医として、児童の定期歯科健診はもとより、健康教育や食育、健康相談等での専門的な指導・助言など、児童の健康保持増進に幅広く貢献した。

 また、平成15年から23年まで道歯科医師国民健康保険組合理事に就任し、平成21年から28年まで道歯科医師会の理事・常務理事を歴任するなど、歯科保健の充実に多大な功績を残した。

▼学校薬剤師

▽佐藤英二(室蘭市立星蘭中)

 長年にわたり勤務薬剤師として地域保健衛生の発展向上に努めるとともに、平成4年4月から現在に至るまで、室蘭市内幼稚園、小・中学校の学校薬剤師として各種環境衛生に係る管理・点検実施のほか、指導助言を通して学校保健衛生の向上を図り、児童生徒の健康維持に尽力した。

 平成8年から室蘭市学校薬剤師会理事、平成22年から27年まで同会副会長を務めるなど、学校薬剤師の育成と指導にも貢献しており、その功績は誠に顕著である。 

▼校長

▽堀江仁(札幌市立北野台小)

 昭和62年から今日まで教員・学校管理職として北海道教育に尽力する傍ら、平成17年より今日まで札幌市学校保健会事務局の運営に従事し、広報部長、事務局次長を歴任したあと、現在、事務局長の任に就いている。

 令和3年度指定都市学校保健協議会(相模原大会)では、その実践力や卓越した識見から、研究発表者として実践発表を行った。

 4年に同会事務局長就任後は常に会の前進と改革を求め、事務局の充実・発展に大きく寄与するとともに、同年札幌市で開催された日本学校保健会主催「学校環境衛生研修会」では、関係者の連絡調整にそのリーダーシップを遺憾なく発揮し、大会運営に尽力するなど、学校保健の推進・向上に多大な貢献をした。

【学校安全】

▼学校

▽標津高校

 防災教育の充実に向けて地域や標津町防災部局などの関係機関と連携を図り、町内の全小・中・高校の児童生徒や地域全体の防災意識を高めるよう取り組んでおり、特に、令和2年度には、町に特化した標津町オリジナルHUG(避難所運営ゲーム)を完成させ、町民と取り組むとともに、地域循環型教育の一環として、生徒が小学校等に出向き、防災・減災授業を実施している。

 また、町の協力のもと、東日本大震災の被災地である岩手県釜石市への生徒による視察を実施し、災害時の対策等について、より考えを深めるとともに町と生徒で意見交換を重ね、緊急時の対応に備える取組を行っている。

(国 2023-09-29付)

その他の記事( 国)

米国大使館と遠隔開催 GIGAは国境越える 文科省が30日に特別講座

 文部科学省は、30日午後2時から第4回GIGAスクール特別講座「GIGAは国境を越える!」をユーチューブでライブ配信する。米国大使館広報部文化・スポーツ交流担当官補佐のダービン・ユーン氏が...

(2023-10-12)  全て読む

文科省地方教育行政功労者表彰 道内市町村8人に光 前大空町教委教育長・渡邊氏ら

 文部科学省は5年度地方教育行政功労者表彰(文部科学大臣)の受賞者を決定した。道内からは市町村教委の関係者8人が栄誉に輝いた。表彰式は12日、都内の文部科学講堂で執り行う。  表彰は昭和5...

(2023-10-10)  全て読む

文科省 問題行動等調査 不登校 16%増1.3万人 いじめ重大事態、暴力も増加

問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果表  文部科学省は4日、4年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果を発表した。道内公立・私立学校における不登校の児童生徒数は1万3439人で過去最多を更新。いじめの認知...

(2023-10-06)  全て読む

自治体の負担軽減へ 盛山大臣 緊急提言受け予算検討 端末更新等の基金創設

 盛山正仁文部科学大臣は9月29日の記者会見で、1人1台端末の更新費用等に充てる基金の創設を盛り込んだ自民党文部科学部会の緊急提言を受け、10月末をめどに取りまとめる総合経済対策に対応してい...

(2023-10-03)  全て読む

新・防災教育チャレンジプラン開始 学校・地域連携等重点に IT企業技術用い取組支援

 防災教育に意欲的に取り組む学校等から防災教育の計画を募集し、その実践を支援する「防災教育チャレンジプラン」。来年度から「新・防災教育チャレンジプラン」として再スタートする。新たな重点テーマ...

(2023-10-02)  全て読む

反論踏まえ制度設計見直し 臨時国会提出見送り 「日本版DBS」創設法案

 政府は、子どもと接する仕事に就く人に性犯罪歴がないことを確認する「日本版DBS」の創設に向けた法案について、秋の臨時国会への提出を見送る方針だ。このほどまとめた報告書の内容に対して相次いで...

(2023-09-28)  全て読む

教師を取り巻く環境改善へ 教育界一丸で改革を 全国教委連会合で鈴木企画官

全国市町村教育委員会連合会理事会  全国市町村教育委員会連合会(田邊俊治会長)は21日、ホテルライフォート札幌で第3回常任理事・理事会を開催した。文部科学省初等中等教育局企画官の鈴木文孝氏が「学校における働き方改革、教師の処...

(2023-09-27)  全て読む

運動部活動地域移行でスポーツ庁 実践研究事例集を作成 沖縄県うるま市の取組など

 スポーツ庁は、運動部活動の地域移行等に関する実践研究事例集をまとめた。4年度地域運動部活動推進事業における各自治体の実践研究の成果などを掲載。沖縄県うるま市が民間事業者と部活動の地域移行に...

(2023-09-27)  全て読む

こども誰でも通園 議論開始 利用上限 月10時間で検討 来年度 試験事業本格実施へ

 こども家庭庁は、6年度予算概算要求に盛り込んだ仮称・こども誰でも通園制度の創設に向けた検討を開始した。21日に開いた初会合では、来年度実施を予定している試験事業の対象を6ヵ月~2歳とし、利...

(2023-09-25)  全て読む

経産省 子の多様な才能開花へ 企業、大学等が学び提供 学校外にサードプレイス

 経済産業省は6年度から、学びと社会の在り方改革推進事業への着手を計画している。子どもの多様な才能を開花させるため、民間事業者・大学・NPO法人が中心となって学校外での学びを提供する「サード...

(2023-09-22)  全て読む