自治体の負担軽減へ　盛山大臣　緊急提言受け予算検討　端末更新等の基金創設

（国 2023-10-03付）

　盛山正仁文部科学大臣は９月２９日の記者会見で、１人１台端末の更新費用等に充てる基金の創設を盛り込んだ自民党文部科学部会の緊急提言を受け、１０月末をめどに取りまとめる総合経済対策に対応していく考えを示した。端末更新の国庫補助が恒久的な制度となるかどうかは現段階では困難との見方を示しつつ、実績を積み重ねる重要性に言及した。

　次年度の財政施策の根本となる「骨太の方針２０２３」では、１人１台端末を「公教育の必須ツール」と位置付け、更新を着実に進める方針を明記。文科省の６年度予算概算要求では国公私立小・中学校における端末の更新費用として１４８億円を要望した。

　こうした中、９月２７日に自民党文科部会が採択した「初等中等教育におけるデジタル人材育成の抜本的な強化に向けた緊急決議」では、デジタル化を担う人材育成を「単なる教育施策ではなく国家的政策課題」と位置付け、小・中学校における１人１台端末や高校段階におけるデジタル人材育成の強化など５年程度をかけて遂行する基金の創設を提案した。

　盛山文科大臣は、９月下旬に総理から指示のあった総合経済対策の取りまとめに当たり「今回の提言の趣旨も踏まえつつ、与党を含めた関係者と十分に連携しながら対応していきたい」と説明した。

　また、財務省が端末更新の国庫補助を恒久的な制度として認めるかについて「現段階ではとても考えられない」とした上で、今後数年間かけて実績を作ることが恒久的な制度化につながるとし「自治体、保護者の負担を小さくする形で更新することができるかどうかが最大のポイント。場合によって財政当局は大盤振る舞いする可能性もあるが、折衝次第」との見解を示した。

(国 2023-10-03付)