オンラインアート教室対象拡大等で 管内外から応募相次ぐ 帯広美術館 6年度も継続へ
(関係団体 2023-09-27付)

帯広美術館オンラインアート教室
端末から展示作品を配信している

 【帯広発】道立帯広美術館は、オンラインアート教室事業における実施対象の拡大等によって、美術作品の鑑賞機会および地域連携の拡充に力を注いでいる。4年度に引き続き、申し込み期限を設けない同館独自の施策に、管内外の学校や自治体から応募が相次いでいる。同館協議会委員からも事業の意義深さを評価する声が多く上がっており、同館は6年度も事業を継続する意向を示している。

 道教委が4年度から進めているオンラインアート教室事業は、道立美術館と学校をオンラインでつなぎ、遠隔地などの子どもたちに対する鑑賞機会の拡充や、美術作品への理解促進を図るもの。帯広美術館は独自に道東全域の学校や市町村教委、道立社会教育施設等を対象としている。

 4年度は、道教委主催事業として4回、同館独自事業として5回の計9回、事業を展開し、年度当初の指標値を大幅に超える356人が参加。管内では小・中学校、定時制高校、特別支援学校など、幅広い校種から利用の申し込みがあった。管外からは鶴居村教委が社会教育事業での活用を要望し、60歳以上の地域住民が移動等の負担をかけることなく特別展の作品を鑑賞した。

 今春、同館は同事業に特化した特別展「丘の上のミュージアムとっておき10選」を開催。アート・カードに選ばれた同館所蔵作品10点を展示し、アート・カードの貸与と展覧会のライブ配信を併用することで作品の特徴を深掘りする機会を提供した。

 管内外の中学校、高校、特別支援学校等4校に加え、浦幌町教委が同展期間中に事業を利用し、子どもたちが美術作品や地域の美術館を身近に感じる機会となった。

 8月に開催した同館協議会では、委員から「今後、取組が定着していけば、学校のカリキュラム内での実施も広がるのでは」「教育委員会が実施している子どもの居場所づくりにおいて、長期休業期間中に利用したい」「オンラインアート教室は美術館の存在価値や意義が大きく、自身の近辺でも周知していきたい」など、肯定的な声が多く上がった。

 同館は「申し込み期限を設けず通年で事業展開していることが、社会教育事業等への活用にもつながっているように思う」と成果を実感。

 6年度も作品鑑賞や美術館の役割を広く伝えるため、事業を継続する意向を示している。

(関係団体 2023-09-27付)

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