子に未来へ飛躍する力を 道へき複連が第72回胆振大会
(関係団体 2023-09-28付)

へき地・複式開会式
全道へき地・複式教育研究大会胆振大会・総合開会式

 【室蘭発】道へき地・複式教育研究連盟(温泉敏委員長)は13日から2日間、洞爺湖町役場支所などを会場に第72回全道へき地・複式教育研究大会胆振大会(ファイナルステージ)を開催した=写真=。現地参加とライブ配信のハイブリッド形式で実施。研究主題「主体的・協働的に学びふるさとへの誇りと愛着を持った人間性豊かな子どもの育成」、大会スローガン「産業豊かな多様性に満ちた胆振の力こどもたちに未来へ飛躍する力を」のもと、3つの分散会、4会場における公開授業を実施し、胆振の地に生きる子どもたちの姿を全道・全国に発信した。

 大会は、全国へき地教育研究連盟5ヵ年研究推進計画の研究主題および道へき地・複式教育連盟5ヵ年計画の研究主題を踏まえて、胆振地域のへき地教育実践をもとに、北海道ブロックにおけるへき地教育の研究成果を交流するとともに、へき地教育の今日的課題について研究協議し、へき地教育の充実を図ることを開催趣旨としている。

 開会式で温泉委員長は「ファイナルステージは、昨年のファーストステージから1年間の成果が如実に表れる大会。大会を通じて自らの学びを高め、所属校や研究の仲間に、そして、何と言っても子どもたちに還元してほしい」と求めた。

 続いて、基調報告で胆振へき地・複式教育連盟の現状や課題、胆振大会に向けた研究推進の取組などを紹介した。

 分散会では、別海町立上春別小学校の髙橋さゆり教諭ら3人の教諭が長期研究推進計画に基づく実践研究の成果と課題について提言した。

 各分散会の概要はつぎのとおり。

▼分散会=(学校・学級経営)

▽発表題=ふるさとで学び、新しい時代を拓く、開かれた学校・学級経営の創造と推進~共に学び、自ら学びを創る子の育成

▽提言者=別海町上春別小・髙橋さゆり教諭

▼分散会=(学習指導①)

▽発表題=自分の考えを表現し、主体的に学び合う鶉っ子の育成~考えを伝え合う算数科の授業を目指して

▽提言者=厚沢部町鶉小・八木良子教諭

▼分散会=(学習指導②)

▽発表題=小規模校の学校経営における効果的なICTの活用について~複式授業の中でICTを活用し、自ら学び探求し,共に学び合える子どもの育成を目指して

▽提言者=音更町西中音更小・松井眞治校長

◆より良い話し合いとは 白老虎杖小などで授業公開

 第72回全道へき地・複式教育研究大会胆振大会(ファイナルステージ)2日目の14日、ハイブリッド形式による公開授業や研究発表、研究協議が行われた。洞爺湖町立とうや小学校(山下文人校長)、伊達市立大滝徳舜瞥学校(羽根秀哉校長)、白老町立虎杖小学校(関東英政校長)、苫小牧市立樽前小学校(中嶋清人校長)が複式授業の在り方を提言した。

 第3分科会の会場校となった虎杖小では、研究主題「分かった・できた・伝わったと表現できる児童を目指して~児童の発達に応じた個別最適な学び・協働的な学びを通して」のもと、2授業を公開した。

 うち5・6年生国語(古村瞭汰教諭、児童数5年生5人・6年生6人)の複式授業を展開した。

 5年生「たずねびと」は6時間扱いの3時間目。本時の目標を「登場人物の心情の変化を読み取るときに大切なことが分かる」と設定。6年生「みんなで楽しく過ごすために」は6時間扱いの5時間目。本時の目標を「より良い話し合いにするための方法や工夫の仕方が分かる」と設定した。

 冒頭、5年生、6年生それぞれに本時のゴールと課題を提示した上で、交流学習を促した。

 5年生は、登場人物の心情の変化を一人ひとりが考えたあと、グループで共有、発表。限られた時間で交流を図ることによって児童のタイムマネジメント能力の向上を図るとともに、時間の移り変わりや場面の様子など、言葉以外にも気持ちの表現方法があることを気付かせた。

 一方、6年生は全体で、デジタル教科書のワークや白老町立竹浦小学校6年生による話し合いの動画、自分たちの話し合いの動画を確認したあと、動画の比較からより良い話し合いに向けた意見を交流した。

 児童たちは「声を大きく、相手の目を見て話した方が良い」「話し合いの目的や条件を明確にする」「積極的な発言や話し方が重要」などと発表。次回の話し合い活動に生かすことをまとめた。

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へき地・複式公開授業
全道へき地・複式教育研究大会胆振大会・公開授業

(関係団体 2023-09-28付)

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