札幌二十四軒小　教育講演会　諦めずにアクションを　世界中を旅した中矢氏招き

（札幌市 2023-09-29付）

二十四軒小講演会

　札幌市立二十四軒小学校（藤塚圭一校長）で１３日、世界中での旅の経験を伝える中矢匡さんによる教育講演会が開かれた。６年生約７０人が聴講し、生きるということ、諦めずに行動を起こすことの大切さなどを学んだ。

　講師の中矢さんは愛媛県内の元中学校教員で、現在は愛媛大学非常勤講師、部活動外部指導者などを務める。２０歳ごろから旅を始め、教員退職後には夫婦で１年間世界中の国々へ渡航。これまでに約８０ヵ国・地域を訪れている。

　この経験を多くの人に伝えていこうと「国際理解教育」「平和」「職業」などをテーマに学校などでの講演活動に取り組んでいる。区内の羽生功二元琴似中央小学校ＰＴＡ会長との縁で、今回初めて道内の学校で講演を行った。

　同校は、６年生総合的な学習の時間で「夢プロジェクト」と題したキャリア教育を進めており、その一環として位置付けた。様々な仕事に携わる人から話を聞き、将来の職業選択に役立ててもらうことが目的。

　中矢さんは、訪れた国々で出会った人々やエピソードを披露。地球の裏側・パラグアイの日本人移住者、カンボジアで人を殺すことしか知らずに育った少年兵、インドのガンジス川のほとりで死を待つ人々など、世界の実情や習慣を伝えた。

　旅先での経験、人々との出会いを通して“生きる意味”を見いだしたことを話し「出会った人々からは大事なものをもらった気がする」と振り返った。

　その“大事なもの”を「今度は自分が多くの人々に還元していきたい」との思いで、現在、混乱が続くウクライナの子どもたちにおもちゃを届ける活動に取り組んでいる。

　ポーランドで支援活動に取り組む日本人の協力を得て、危険が伴う中、日本の小学生から寄付されたおもちゃを現地に届けた。おもちゃを手にする子どもたちの笑顔を見た時に「大きな意味があった」と実感したという。こうした経験から、最後に「諦めずにアクションを起こすことが大事」と伝えた。

(札幌市 2023-09-29付)