４年度道立児相児童虐待相談対応状況　３７６件減３６４４件に　心理的６５％　小学生以下８割

（道・道教委 2023-10-10付）

　道は、４年度の道立児童相談所における児童虐待相談対応状況を公表した。道立８児童相談所が虐待事案として相談対応した件数は、過去最多を記録した前年度に比べ、３７６件少ない３６４４件。札幌市児相を含んだ総数も４９２件減の５９３０件となった。依然として心理的虐待が６５・０％と多数を占め、心または人格の問題や夫婦間不和によって実父、実母が虐待しているケースが多い。虐待を受けた子の８割が小学生以下だった。

　虐待内容は、心理的虐待が２３６７件（６５・０％）と最も多く、次いで身体的虐待が６６３件（１８・２％）、ネグレクトが５７３件（１５・７％）、性的虐待が４１件（１・１％）となった。

　相談経路は、警察署からの通告による対応の割合が５２・７％と半数以上を占め、次いで児相等への通告が２１・０％。学校等からの通告は３・３％にとどまった。

　主な虐待者は、全体では実母が４５・３％で最多。虐待種別では、心理的虐待は実父（４８・８％）、身体的虐待は実母（４４・３％）、ネグレクトは実母（８０・１％）、性的虐待は養父や母の内縁の夫など（４６・３％）で最も高い割合となった。

　虐待を受けた子どもの年齢は、０歳から就学前までが４２・１％。小学生が３５・３％と、小学生以下が約８割を占めた。

　虐待への対応は、子どもが在宅のまま保護者に助言指導やカウンセリングなどを行う面接指導がこれまで同様９割を占め、施設入所や里親等への委託は約４％。

　虐待に至った要因は、全体では「心または人格の問題」が４１・０％と最も多く、「夫婦間不和」が３５・６％、「育児疲れ」が２７・８％などとなった。

　虐待の内容別では、身体的虐待は「育児疲れ」が４８・４％、「心または人格の問題」が４２・１％。

　性的虐待では「心または人格の問題」が６５・９％で最多。ネグレクトは「心または人格の問題」が４９・０％、「経済的困難」が２４・８％などとなった。心理的虐待は「夫婦間不和」が４８・８％と多く、全体における「夫婦間不和」の割合を押し上げている。

　道では今後、児童福祉司等の専門職員の適切な配置や研修の充実などに取り組むほか、１１月のオレンジリボン・児童虐待防止推進キャンペーン等の取組を周知するなど、道民への啓発活動などに努める考え。

(道・道教委 2023-10-10付)