函館市教委　学校力向上地域協議会　ＩＣＴ活用等　今後の方向性共有　本通中の授業視察や協議等

（市町村 2023-10-12付）

函館市学校力向上第２回地域協議会

　【函館発】函館市教委は６日、函館市立本通中学校（仲井靖典校長）で道教委の学校力向上に関する総合実践事業第２回地域協議会を開いた。中核校と指定校４校の教職員１０人が参加。本通中の授業視察や指定校との協議を通して、ＩＣＴを効果的に活用した教育の充実に向けた今後の方向性を共有した。

　中核校と指定校の取組状況や実践の成果を共有することで、地域の学校が連携・協力しながら学校力を高めるシステムを構築することがねらい。

　事業の指定地域となっている函館市では、本通中を中核校に東山小学校（永井貴之校長）、鍛神小学校（三上泰司校長）、本通小学校（小濱誠校長）、南本通小学校（半田啓一校長）を指定校に設定。専科指導教員および事務職員を活用した取組やＩＣＴを活用した教育の充実、北海道アクション・プラン（第２期）を踏まえた働き方改革に関する実践を進めている。

　本通中では１人１台端末を活用した授業改善として、デジタル教科書やグーグルクラスルームの活用、ジャムボードを活用した交流活動などに各教科で取り組んでいる。

　大山裕之教頭がこうした取組状況を説明した上で、今後は小学校との指導の系統性や発展性を持たせる指導の工夫、ＩＣＴ活用の先行事例を校内で共有するなどして資質向上を図るとした。

　参加者は全学級の授業を参観。うち２年生の英語では「聞くこと」の領域について、デジタル教科書を活用したり、大型ディスプレーに会話場面を提示したりする授業を展開。

　３年生の数学では、担当教員が二次関数のグラフについて頂点を移動させながら変域と値域を生徒に分かりやすく説明する授業を行った。

　参観後の協議では、校長部会と主幹教諭・教諭の２部会に分かれ、学習用端末を用いた効果的な授業実践と実施計画について各校の取組状況を協議。各部会では、学習用端末を個別最適な学びに活用する実践や研究部と連動した取組、活用する際のスタンダードプランの作成などの取組例が挙がった。

　助言者を務めた渡島教育局の五十嵐義幸義務教育指導監は「ＩＣＴを活用した教育の充実に向け、授業改善は主体的・対話的で深い学びの実現の視点が重要。１人１台端末の活用ではＡＩドリルや習熟度別で補充的な学習に限定せず、授業とのつながりのある家庭学習も視野に入れてほしい」と要請。

　教員のＩＣＴ活用の指導力向上に向け「ＩＣＴ活用の技能と授業におけるＩＣＴの効果的な活用の両輪で進めることが大切」と話した。

　中嶋由佳義務教育指導班主任指導主事は「１人１台端末の活用では、子どもの学びに変容が見られるかが大切。端末の効果的な活用で、自分で学びを進め、深めることができる授業づくりに一層取り組んでほしい」と呼びかけた。

(市町村 2023-10-12付)