子ども関連施設の暑さ対策 冷房整備へ緊急要望 財源措置拡充 国に求める(道・道教委 2023-10-18付)
記者会見に臨む倉本教育長
道教委の倉本博史教育長は16日の記者会見で、翌17日に鈴木直道知事と共に文部科学省を訪問し、学校等における暑さ対策に関する緊急要望を行うことを明らかにした。公立・私立の学校、保育所、認定こども園など子ども関連施設を対象に冷房設備を整備する財政支援の拡充を求め、近く国が公表する補正予算案への反映を図る。工事の長期化も見据え、スポットクーラーなど当面の暑さ対策に必要な物品を購入する緊急的措置も求める。
道内公立学校における冷房設備の整備率(4年9月1日現在)は、幼稚園が48・3%、小・中学校が16・5%、高校が0・7%、特別支援学校が6・5%と全国平均の95・7%を大きく下回っている。私立学校でも小・中学校が55・8%、高校が40・3%にとどまる。
比較的冷涼な本道でも真夏日・猛暑日が増加しており、5月に十勝管内では熱中症の集団発生事案が複数発生したほか、8月には初めて熱中症警戒アラートが道内全域で発令。連日の猛暑で教室が高温となり、多くの学校で臨時休業や下刻時刻の繰り上げを実施する異例の事態となった。
倉本教育長はハード・ソフトの両面で対策に取り組む考えを示し、公立・私立の小・中学校、高校、特別支援学校、さらには幼稚園、認定こども園など子ども関連施設全体を対象に冷房設備整備の財源措置の拡充を要望すると表明。また、補助制度のない高校においても支援措置の充実が図られるよう求める考えを示した。
夏休みの延長など長期休業期間の在り方に関しても学校現場の状況も把握した上で早急にまとめるとし、体育活動や部活動の実施の可否を判断する暑さ指数(WBGT)の重要度や計測器の使用方法について、学校現場にあらためて周知する考えを示した。
◆いじめ早期発見へ 積極的認知を継続
記者会見では倉本教育長から情報提供があり、平成26年以来9年ぶりの開催となる北海道・東北ブロック民俗芸能大会(29日、恵庭市民会館)、3年間かけて取り組んだ道CLASSプロジェクトの実践発表の場である全道地学協働活動研究大会(11月16日、オンライン開催)、高校段階から教職について理解を深める道教育大学との連携事業「みらいの教員育成プログラム」の概要などを周知した。
本道におけるいじめの認知件数にも言及。認知件数の増加要因として「いじめの定義や積極的な認知への理解の学校現場への浸透」「学校のアンケートや教育相談による児童生徒の状況把握の充実」が考えられるとした。
引き続きいじめの早期発見や積極的な認知を継続する必要性を示した上で「学校における組織的対応の徹底が大変重要であり、市町村教委と連携して取り組んでいきたい」と見解を示した。
(道・道教委 2023-10-18付)
その他の記事( 道・道教委)
道教委・道警 闇バイト防止へ 校内放送教材が完成 高校生と警察官が注意喚起
道教委は、高校生向けの「闇バイト防止のための校内放送教材」を制作した。道警や石狩南高校放送局の協力を得て完成したもので、生徒と警察官が闇バイト募集の手口などを語り、注意を喚起する内容となっ...(2023-10-20) 全て読む
道教委 青少年中国友好訪問 21日から8日間滞在 高校生が万里の長城等へ 米、加に次いで3事業目に着手
道教委は、本年度から道青少年中国友好訪問事業を新たに実施する。道内の高校生が海外を訪問し、現地の高校生と交流する事業としては、道・ハワイ州高校生交換留学促進事業、道・アルバータ州高校生交換...(2023-10-20) 全て読む
鈴木知事、倉本教育長ら一行 冷房設備整備へ中央要請 盛山文科相「予算確保に努める」
鈴木直道知事や倉本博史教育長らは17日、文部科学省を訪問し、盛山正仁文科大臣に学校等における冷房設備整備へ財政支援を求める緊急要望を行った。要望書を受け取った盛山大臣は「各自治体が計画的に...(2023-10-19) 全て読む
道教委 小・中教育課程改善協 ICT活用など研鑚 計1000人超が参加予定
道教委の本年度小・中学校教育課程改善協議会が11日から始まった。初日は3教科の部会に185人が参加。講義や協議・演習を通して、学習指導要領の着実な実施、ICTの効果的な活用などについて研鑚...(2023-10-19) 全て読む
探究活動の指導充実へ 教員研修動画を制作 「課題設定」など4シリーズ 道教委
道教委は「総合的な探究の時間」における生徒の探究活動の指導の在り方について解説する教員研修動画を制作した。「課題の設定」「情報の収集」など全4編をシリーズ化して解説。現在公開しているシリー...(2023-10-19) 全て読む
空知局とネイパル砂川 パラスポ 運動の楽しさ体感 アダプテッドスポーツ等
【岩見沢発】空知教育局はネイパル砂川と連携し、9月下旬の2日間、「Let,s try!パラスポ」を実施した。岩見沢市や美唄市などから小中学生17人が参加。参加者は、アダプテッド・スポーツや...(2023-10-18) 全て読む
道教委と道 放課後活動推進協〈道北〉 子のSOS見逃さない 旭川児相職員らが講義等
【留萌発】道教委と道は12日、オンラインで第2回放課後活動推進協議会(道北会場)を開催した。全道から約200人が参加。子どものSOSを見逃さない関わりややる気を引き出す言葉がけに関する講義...(2023-10-18) 全て読む
渡島局 幼小連携・接続担当者研修会 円滑な接続へ実践共有 架け橋プログラム説明など
【函館発】渡島教育局は11日、オンラインで幼小連携・接続担当者研修会を開いた。幼小の円滑な接続に向けた組織体制づくりをテーマに「幼保小架け橋プログラムの実施に向けての手引」を活用した説明の...(2023-10-18) 全て読む
函館中部高定時制 100周年記念式典 “楊燈魂”胸に伝統を 困難や悩み乗り越えて
【函館発】函館中部高校(清水信彦校長)定時制課程は14日、ホテル函館ロイヤルで創立100周年記念式典を挙行した。生徒、教職員、来賓ら約130人が出席。「楊燈魂」の心意気のもと、新たな伝統を...(2023-10-18) 全て読む
音更町教委 地学協働人材リスト 9月末までに91者登録 授業参画211件、活用7割に
【帯広発】音更町教委は4年度から、町内小・中学校における地域学校協働活動の活発化に向けて協力者をリストアップしている。ことし9月末までに、公的機関や企業、個人等の91者が登録。5年度上半期...(2023-10-17) 全て読む