第28回全国高校総合学科研究大会 時代に応じた進化へ研鑚 道内開催10年ぶり 250人集結
(道・道教委 2023-10-23付)

総合学科大会
総合学科大会

 第28回全国高校総合学科教育研究大会兼第24回道高校総合学科教育研究大会が19日から2日間、ホテルライフォート札幌を主会場に開かれた。道内での全国大会開催は平成25年以来10年ぶり。大会スローガン「持続可能な社会を築く総合学科~若き魂の鼓動轟く北の大地から」のもと、全国の関係者250人が参加。全体発表や分科会などを通して、時代の変化に対応した総合学科教育のさらなる進化・発展を目指して研鑚を積んだ。

 全国総合学科高校長協会(櫛野治和理事長)が主催。北海道地区総合学科高校長協会が共催。

 初日は、札幌厚別高校、石狩翔陽高校、余市紅志高校での公開授業後、ホテルライフォート札幌に会場を移し、全体会を開催した。

 櫛野理事長はあいさつで、平成6年の総合学科創設から30年が経過し、特色とされていた情報に関する基礎的な科目や課題研究が「学習指導要領の改訂で全ての高校で行われるようになった」と指摘。総合学科の取組が評価されたと受け止める一方で「今後ますます普通科や専門学科高校との違いを鮮明に打ち出す必要がある」とし、総合学科としての新たな挑戦が必要になっていることを訴えた。

 大会実行委員長を務める石狩翔陽高の渡邉祐美子校長は、国が進める高校普通科改革の流れに言及し「総合学科の存在価値を示すことが急務」と強調。大会を通して、時代の変化に対応した資質・能力を身に付けさせる教育の一助になることを願った。

 道教委の倉本博史教育長の来賓あいさつに続き、文部科学省初等中等教育局の大滝一登視学官が「高校改革の最近の動向」をテーマに講話した。15歳人口の将来予測に触れ「11年には100万人を割り、18年には約81万人になることがほぼ確実」と述べ、全国各地で「高校の維持が極めて困難になる」との見解を示した。

 その上で「小規模校などでの多様な教科・科目選択を保障するための遠隔授業」「不登校生徒を含む全ての生徒に対して柔軟で質の高い学びの保障」「探究・文理横断・実践的な学びの推進」など、高校教育の在り方ワーキンググループ中間まとめのポイントを示した。

 総合学科に求められることとして①学科の枠を超えた柔軟な講座編成②キャリア教育の充実③生徒の主体性を軸とした教育活動の展開―の3点を挙げ、生徒や保護者、地域のニーズを踏まえ、総合学科の強みを最大化させる工夫に取り組む必要性を訴えた。

 このあと、クリプトン・フューチャー・メディア㈱の伊藤博之代表取締役が「クリエイターがつくる未来の北海道」をテーマに記念講演した。

 2日目は5分科会を開き、総合学科教育のさらなる進化へ研鑚を積んだ。

(道・道教委 2023-10-23付)

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