札幌市教委　大通高通級指導教室　他校生徒の受入可に　困り感抱える生徒支援充実

（札幌市 2023-10-23付）

　札幌市教委は本年度から、市立札幌大通高校の通級指導教室で他校生徒の受け入れを可能としている。全ての札幌市立高校および中等教育学校後期課程の生徒が対象。困り感を抱える生徒への一層の支援の充実につなげる考えだ。

　札幌大通高は平成２９年度、文部科学省「高校における特別支援教育推進のための拠点校事業」の指定を受け、通級による指導の実施に係る体制および教育課程等の編成に関する研究を進めてきた。

　その成果などを踏まえ、市教委は翌３０年度から札幌大通高に通級指導教室を開設。発達障がいなどのある生徒のみならず、学習面・行動面・対人面で困り感を抱える生徒に対し、個別の状況に応じた支援に取り組んでいる。

　これまで自校生徒のみを対象としてきたが、加配によって通級指導担当教諭が２人体制となったことなどを踏まえ、本年度から札幌大通高以外の市立高校および中等教育学校の生徒に対しても通級による指導（他校通級や巡回による通級指導）を行うこととした。

　気になる生徒がいる場合などは、当該生徒の在籍校から札幌大通高の通級指導担当教諭に相談。生徒や保護者への教育相談などを経て、望ましいと判断した場合に通級による指導を開始する。

　札幌大通高の生徒と同様、指導を受けるに当たって発達障がい等の診断の有無は問わない。３５単位時間指導を受けると、在籍校の校長によって単位認定も行われる。

　市教委は、８月に各高校の特別支援コーディネーターらを対象とした説明会を開催するなど、制度の周知に努めている。

(札幌市 2023-10-23付)