札体研 緑丘小で第３２回研究大会　評価を参考に試行錯誤　５年生 自然の脅威を表現

（札幌市 2023-10-23付）

　札幌市学校体育研究連盟（札体研、千葉智明委員長）は６日、緑丘小学校で第３２回研究大会を開催した。研究主題「未来を切り拓く体育活動の充実」のもと、緑丘小の齋藤未来教諭による５年生の授業を公開。「自然の脅威」を動きで表現するため、ほかのグループの評価をもとに課題を見いだし、より良い表現になるよう試行錯誤する活動を設定した。

　同連盟は、研究主題と副主題「自らの課題を解決する課題探究的な学習」に迫るため①運動の楽しさや喜びに浸る教材化②他者と関わり自己決定できる学習過程③子どもの学習を支える評価―の３つを視点に授業づくりを進めている。

　公開授業では、緑丘小の齋藤教諭が５年４組「表現Ｍｉｄｏｐｅｄｉａ～自然の脅威図鑑をつくろう」（児童数３８人）を指導した。

　単元では「自然の脅威」を動きで表現する活動を設定。児童たちは「自然の脅威図鑑ＬＩＶＥ」に向けて、グループごとに「グラグラガタガタ巨大地震」「天高くドッカーン爆発火山」などと表したいイメージを決め、動き、リズム、空間、関わりを工夫しながら「はじめ」「なか」「おわり」の構成ごとに表現を構想してきた。

　５時間扱いの４時間目となる本時では、ほかのグループからの評価をもとに課題を見つけ、より良い表現を試行錯誤する活動を位置付けた。

　齋藤教諭は、前時で各グループの動きを評価し合った際の評価シートを配布。児童たちは、グループ内で話し合ったり、ほかのグループに「何でこの評価にしたの？」などと質問したりして「この動きだとイメージが伝わりにくい」「場面の構成をもっと工夫した方が良い」などの課題を見いだした。

　それを踏まえ、齋藤教諭は「どの場面を工夫すると表したい感じがより伝わるかな」と課題を提示し、児童たちに課題解決に向けた意識を引き出した。

　これまでの学びの過程はＩＣＴに蓄積されており、児童たちは１人１台端末やホワイトボードを確認しながらより良い表現をつくり上げるため話し合いと練習を繰り返した。

　時には、ほかのグループと動きを見せ合ったりアドバイスを送り合ったりして「ここの動きはもっと大きくしよう」「“なか”の構成を工夫しよう」などと修正していった。

　終末では、一人ひとりが端末に振り返りを入力。「たくさん練習したことで動きがそろった」「構成を工夫したことで一体感が出た」などと評価した。

　授業後の開会式では千葉委員長があいさつに立ち、長きにわたり積み重ねてきた研究実践を振り返りながら「２年後に開催を控えた全国大会を成功裏に終えることができると確信している」と期待を寄せた。

　研究討議では、参加者間で公開授業について協議。また、道教育大学札幌校の中島寿宏教授と札幌市教委の岩田悟義務教育担当係長が助言、国立教育政策研究所の塩見英樹教育課程調査官が講評した。

(札幌市 2023-10-23付)