3定札幌市議会決算特別委(20日)
(札幌市 2023-10-24付)

◆未就学児の支援体制整備検討へ 子のくらし支援コーディネート

 札幌市子ども未来局の佐藤学子ども育成部長は20日の市議会決算特別委員会で、学齢期の子どもを中心に取り組んでいる「子どものくらし支援コーディネート事業」について、未就学児への支援体制の整備を検討する考えを示した。

 市は、貧困などの困り事や悩みを抱える子どもや家庭を早期に把握し、必要な支援につなげる「子どものくらし支援コーディネート事業」を実施している。

 4年度は、児童会館を中心にコーディネーターによる巡回相談を753回実施。相談件数は、前年度からの継続分687件と新規受理分188件の計875件となっている。

 学齢期の子を中心に支援を進めてきた中で「小学校低学年から発達面で問題を抱える子どもが多い傾向にあり、より早い段階での支援へつなげていくことが課題」との認識から、本年度、一部の認可外保育施設に対してニーズ調査を実施。対象の10ヵ所から9件の相談が寄せられ、助言や情報提供を行ったと報告した。

 調査終了後も引き続きの支援を希望する声が多数寄せられていることから「今後はより早い段階から困難を把握し、支援を行うための体制整備などを検討していく」と述べた。

 定森光委員(民主市民連合)の質問に対する答弁。

◆こども食堂以外施設に補助拡大 子の居場所づくり

 佐藤部長は、子どもの居場所づくりに向けてこども食堂以外の施設にも補助を拡大する考えを示した。

 市は、2年度からこども食堂活動支援補助金制度を設けており、事業開始から4年度まで新規開設を目指す9団体、学習支援や多世代交流などレベルアップに取り組む32団体の計41団体に補助。

 市が把握している市内のこども食堂は、2年度の61ヵ所から4年度末には97ヵ所に増加しており「こども食堂の量的拡大と活動の質的向上に一定の成果を上げている」との認識を示した。

 子どもの居場所に関するニーズが多様化していることなどを踏まえ、第2次まちづくり戦略ビジョンアクションプラン2023案で、こども食堂以外の居場所への補助拡大を示している。「具体的な事業構築に向け引き続き検討を進めていく」と述べた。

 定森委員の質問に対する答弁。

◆新たに道と連携 支援研修を実施 ヤングケアラー

 佐藤部長は、本年度のヤングケアラー支援研修について、新たに道と連携して実施することを報告した。

 市におけるヤングケアラー支援の取組として、4年10月から交流サロンを開設。本年度からは各区の若者活動センターにも開催場所を拡大し、延べ89人が参加している。さらに、本年度から相談窓口を開設し、9月現在で641件の相談を受け付けた。

 支援関係者向けの研修会について、初めて道と連携して開催。「多くの知識や事例に強みを持つ道に概論や事例検討を担ってもらい、より住民に近いサービスに強みを持つ札幌市は、現場で求められる実践的なスキルの演習を行うよう分担した」とし「札幌市のみならず、他市町村から参加する受講者にも体系的な理解と実践的な技術の両方を学んでもらうことができ、北海道全体のヤングケアラー支援のレベルアップに貢献できる」と期待した。

 定森委員の質問に対する答弁。

◆未設置部屋ある施設に整備検討 児童会館のエアコン

 佐藤部長は、エアコン未設置の部屋がある児童会館への整備を検討する考えを示した。

 市は、児童会館へのエアコン設置を進めており、市内にある全110館に整備。うち小学校に併設している新型児童会館など35館は全室に完備している。

 今夏の猛暑で、エアコン未設置の室内での活動が制限されるなどの影響があったことから「子どもたちが暑い夏でも安全かつ快適に過ごすことができるよう、エアコン設置台数が少ない児童会館についてさらなるエアコン設置を検討していく」と述べた。

 森山由美子委員(公明党)への質問に対する答弁。

◆7割超が学校などトイレ等衛生設備 建築系工事入札不調

 都市局は、ことし入札を告示した建築系工事延べ245件のうち、13日時点で47件が入札不調だったと明らかにした。このうち7割以上が学校などのトイレや水回りなど衛生設備工事だった。

 昨年1年間の入札不調は9件で5倍以上となっている。市は、民間工事の増加や配管工の不足、学校の長期休みに工事が集中したことなどが理由とした。

 不調だった案件は、入札参加要件の緩和や予定価格の見直しで一部応札につながったと説明。受注が決まっていない工事は延期していることから「有効な対策を検討する」とした。

 うるしはら直子委員(民主市民連合)の質問に答えた。

(札幌市 2023-10-24付)

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