札幌市教委　オリパラ教育推進事業　オンライン学習を研究　信濃小で五輪博物館収蔵品紹介

（札幌市 2023-10-25付）

　札幌市教委と札幌市スポーツ局は、オリンピック・パラリンピック教育推進事業で新たな研究課題「オンラインを活用した学習に関する研究」を設定し、取組の充実を図っている。１８日、信濃小学校（佐々木俊明校長）で行われた授業では、同校と札幌オリンピックミュージアムをオンラインでつなぎ、同館の収蔵品の紹介などを通してオリンピック・パラリンピックの歴史について学ぶ活動を展開した。

　昭和４７年に札幌冬季五輪が開催された歴史を踏まえ、市は、オリンピック・パラリンピックの理念や価値について理解を深める教育に関する実践的研究を行いその成果を普及・啓発する「オリンピック・パラリンピック教育推進事業」を平成２８年度から開始。

　これまで①オリンピアン・パラリンピアンや、その指導者等を学校に招いて講演会を行う学習に関する研究②オリンピアン・パラリンピアンや、学識経験者等を講師に招いて行う体験的な学習に関する研究③札幌オリンピックミュージアムを活用した学習に関する研究―の３つの研究課題に基づき、オリンピック・パラリンピックの歴史や価値、生涯にわたってスポーツに親しむ大切さなどを伝える学習を展開してきた。

　本年度から、新たな研究課題「オンラインを活用した学習に関する研究」を設定。オリンピアン・パラリンピアンの所在地や札幌オリンピックミュージアムと学校をオンラインでつなぎ、講話や施設見学などを行う学習を開始した。

　市スポーツ局招致推進部の担当者によると、距離的事情や日程調整などでオリンピックミュージアムを訪問することが難しい学校が散見されるという。「多くの学校でオリパラ教育を推進したい」との思いから、コロナ禍で急速に発展したオンラインに活路を見いだした。

　初年度となる本年度は信濃小１校で実施。１８日、総合的な学習の時間の一環として３年生７２人を対象に授業が行われた。

　この日は対面とオンラインを組み合わせた形式で実施し、前半はサラエボ冬季五輪にスピードスケートで出場した鈴木靖さんによる講話、後半はオリンピックミュージアムをオンラインでつなぎ、学芸員による解説を行った。

　後半では、学芸員の解説のもと施設の概要を紹介する動画を視聴。大倉山ジャンプ競技場のコースを主観的に体験できる映像が流れると、児童たちからは「速い！」「すごい！」などと歓声が上がった。

　また、収蔵品の中から札幌１９７２冬季五輪と東京２０２０五輪の聖火トーチが同校に持ち込まれ、児童たちは実際に触って体感。「中に何か入っているかな」とのぞき込んだり、「重いね」と驚いたりするなど、施設に訪問せずともオリンピック・パラリンピックについて楽しみながら学んだ。

(札幌市 2023-10-25付)