札教研事業 秋の研究集会・下
(札幌市 2023-10-20付)

札教研中学校外国語
豊平区中学校外国語研究部

◆主体的に関わる授業 中の島中 豊平区中学校外国語研究部

 豊平区中学校外国語研究部の会場となった中の島中学校(山下和幸校長)では、1年1組「Unit8 A Surprise Party」(菅家悠斗教諭、生徒数31人)の授業を公開した。

 中学校外国語研究部の全市共通研究テーマは「分かった・できた・楽しいを実感しながら、主体的に外国語を用いてコミュニケーションを図ろうとする生徒を育てる授業づくり」。

 研究の視点には①コミュニケーションを図る素地および基礎となる資質・能力を生かした授業②ICTやALTとのチーム・ティーチング(TT)などの学習形態を効果的に取り入れた授業③課題探究的な学習を取り入れた授業④パフォーマンステストを見据えた授業―の4点を設定。

 本時は10時間扱いの2時間目。現在進行形と感嘆文を題材とした単元のうち、音読練習を通じて正しい発音や新出単語の習熟をねらった。

 冒頭、たてよこドリルで既習表現を復習したあと、導入で本文のあらすじを紙芝居形式で紹介した。

 菅家教諭は、重要単語の確認にフラッシュカードを使用。アクセントの位置や発音上のつながりを説明しながら日英双方向で音読させたあと、空中に正確なスペルを書けるか指を走らせた。

 「What do you do in your free time?」など新出単語を用いた疑問文を例に、ペアやグループでコミュニケーションも促した。

 本文を読み上げる際はジェスチャーを伴わせたほか「登場人物の気持ちがよく表れている表現はどれだろう?」と投げかけて文脈から心情を推察させるなど、日本語を介さずに内容を理解させる工夫を凝らした。

 公開授業後は、研究協議で各校の実践を交流。より良い授業づくりへ研鑚を積んだ。

◆より良い学級づくりへ 幌西小 5区小中合同特活研究部

 南区、中央区、厚別区、豊平区、清田区の小中合同特別活動研究部の会場となった幌西小学校(村上智樹校長)では、4年2組「GOOD LUCK集会をしよう」(中川宗教諭、児童数32人)を公開。集会の内容について話し合い、より良い学級づくりに向けた合意形成を図る活動を展開した。

 小中合同特別活動研究部は、4年度から研究テーマを「集団や自己の課題に気付き、改善に向かおうとする実践力を育む特別活動」と設定し、研究の視点①課題解決に向けた活動構成②課題達成に向けた教師の関わり―の2点に基づき授業づくりを進めている。

 本時は、学習指導要領で示されている学級活動の分類のうち「学級や学校における生活づくりへの参画」に当たるもの。

 学級では、4年生の学年テーマ「GOOD LUCK」の実現に向けた「GOOD LUCK集会」を企画しており、後期の目標の一つ「一人ひとりを大切にする学級」に近づくためにどのような遊びやルールがふさわしいか話し合う活動を展開。合意形成の手順を身に付けさせることをねらった。

 集会で行う遊びの候補としてドッジボール、鬼ごっこ、大根抜きの3つが挙がっており、司会の児童2人の進行のもと各種目の賛否やメリット・デメリット、ルールを話し合った。

 中川教諭は、話し合いの様子を見取りながら司会の児童に適宜助言。集会で目指す「一人ひとりを大切にする」という視点に沿った議論となるよう促し、納得できる合意形成に向かっていけるようにした。

 また「運動が苦手な子も得意な子も公平に遊べる」「力加減をするなど相手を思いやることが大事」など、自他を尊重する意見を板書したり口頭で称賛したりして価値付け、意欲につなげた。

◆より良い表現へ工夫 厚別南中 中学校音楽研究部

 中学校音楽研究部の会場となった厚別南中学校(市川恵幸校長)では、古市有佳教諭が2年2組39人を対象にした授業「声部の役割を生かし、表現を工夫して歌おう」を公開した。

 本年度の研究テーマは「資質・能力の三つの柱をバランスよく育む音楽科の授業~分かる・できる・楽しい授業を目指して」。研究の視点に①生徒がどのように学ぶか②生徒に何が身に付いたか―の2点を掲げた。

 本時は4時間扱いの3時間目。混声3部合唱「栄光の架け橋」を通じて、混声合唱をより豊かに歌う方法を考え、全体の響きや各声部の声を聴いて歌う技能を身に付けることなどを目指した。

 はじめに曲全体の構造を確認して、最後のサビが最も盛り上がる部分という共通認識を持たせた。続いて、該当部分の斉唱と合唱の音源を聴き比べてそれぞれの特徴に気付かせ、課題を見いだしやすくした。その上で前時に録音した自分たちの音源を聴くと、生徒たちから「3つのパートがバランス良く聴こえない」などといった声が上がった。

 古市教諭は音楽の特徴を生かした表現の工夫点を考えるよう促して、ワークシートに記入するよう指示。パートごとに考えをまとめたあと、全体で共有した。「主旋律を歌うソプラノパートを引き立てた方が良い」「最後のかけ合いの部分は、だんだん強く歌うように意識する」などの意見があった。

 最後に工夫点を踏まえながらパートごとに練習し、全体で合唱した。声の重なり方や強弱を工夫することで、豊かな音の表現につながると実感してもらうことをねらった。

 授業公開後は、研究の視点に沿って協議した。

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5区小中合同特活研究部
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中学校音楽研究部

(札幌市 2023-10-20付)

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