近美　９作品の「音声ガイド」　１１月公開へ作成快調　札幌北陵高・佐々木さんがアフレコ担当

（学校 2023-10-25付）

ナレーションに臨む佐々木さん

　道立近代美術館は、スマートフォンのアプリ「ポケット学芸員」を利用した音声ガイドを作成している。ナレーションは、札幌北陵高校（吉野光校長）放送局の佐々木亜椰花さん（３年）が担当。１３日に行われた収録では、彫刻や絵画など９作品の背景や特徴を伝えるため、アクセントや鼻濁音、抑揚に気を付けながら丁寧に吹き込んだ。音声ガイドは１１月に公開予定。佐々木さんは「貴重な体験をさせてもらった。一生の思い出になる」と笑顔を見せた。

　ポケット学芸員は、展示物の解説を音声で楽しむことができる無料アプリ。道内では、北海道博物館など１０施設が登録されているが、道立美術館ではまだ導入されていない。近代美術館学芸部企画推進課の門間仁史主任学芸員は「目の不自由な方にも作品を楽しんでもらいたい」と願い、音声ガイドの作成を決めた。

　ナレーションを高校生に担当してもらおうと、道高校文化連盟を介し北陵高放送局に打診。佐々木さんが大役を務めた。

　９月、学芸員が作成した原稿を受け取った佐々木さんは、耳慣れない美術用語や作品の説明語句にアクセント記号やルビを振るなどして、滑らかなナレーションになるよう練習を重ねた。

　収録当日、門間主任学芸員と放送局顧問の竹内康宏教諭が見守る中、レコーディングを開始。佐々木さんは「ダイナミックな動きや重厚な調べが、生き生きと伝わってくるかのようです」「“この世のものは全て移り変わっていく”というメッセージを込めて制作されました」など、９作品の特徴や背景を丁寧に吹き込んだ。

　佐々木さんは「大きなプロジェクトに声をかけていただき、最初は不安だった。アナウンスがしたくて放送局に入って、最後に貴重な経験をさせていただいた。一生の思い出」と笑顔が弾けた。

　門間主任学芸員は「力強く読み上げてもらった。作品への想像をかきたててくれる、素晴らしい音声ガイド」とたたえた。収録した音声は今後、竹内教諭らが編集し、１１月の公開を目指す。

(学校 2023-10-25付)