日高厚賀小 大学生2人受入 小規模校の魅力を実感 道教委 草の根教育実習(学校 2023-10-27付)
日高町立厚賀小で草の根教育実習
【苫小牧発】日高町立厚賀小学校(田中豊人校長)は、このほど3日間にわたり道教委の「草の根教育実習」で、北海道文教大学の学生2人を受け入れた。学生たちは授業の補助を行いながら複式教育を体感し、子どもたちと触れ合いを深め「小規模校の教育はこんなに魅力的だったのか」とその良さを実感した。
草の根教育実習は、大学生がへき地・小規模校における教育実習を体験することで、教職の魅力ややりがいを発見し、質の高い教職人材の確保につなげるもの。
道教委、大学、受け入れ校などが連携し、マッチングや実施時期の決定など必要な調整を行っている。
厚賀小では、道文教大の古川葵さん(3年)と安中みなみさん(1年)を受け入れた。3日間5、6校時まで授業の指導補助を実施。T2として児童生徒への指導や、困り感のある児童への支援を行った。
同校は3・4年生と5・6年生が複式学級。3日間にわたり各学年をまんべんなく体験し小規模・複式校の教育を実感した。
3日目の3校時、安中さんは1年生の図画工作「消防車の絵を描こう」の授業で、子どもたちに「上手だね」「そうそう」と、積極的に声をかけたり、戸惑っている子の相談に乗ったりと、意欲が持続するよう寄り添った。
古川さんは2年生の算数「かけ算の式を表しましょう」の授業で、考え方を理解しきっていない子や自信を持てない子と丁寧に会話し、つまずきがちな子をサポートして回った。
今回初めて実習に臨んだ安中さんは「小学校の中に入れてうれしい。日本で一番大きなマンモス校に通っていたので、先生が一人ひとりの子を理解し、特徴に応じた指導をしていたり、子ども同士がとても仲が良かったりと小規模校ならではの良さを知ることができた」と話した。
古川さんは「複式の授業は初めてで、4年生に問題を解かせている間に3年生に教えるなど、先生方の手順に感心した。子ども同士も教え合っていて、こういう空間っていいなと実感した」と2人とも小規模校の魅力に心を動かされており、将来の進路について安中さんは「石狩を志望していたけれど、小規模校を回ってみたいと考えが変わった」、古川さんは「ぜひこの日高で先生として働きたい」と力強く語った。
厚賀小の田中校長は「受け入れには学校側も職員の負担が増すが、未来の後輩を育成するためみんな気持ち良く協力してくれている。学生も子に寄り添って授業を補助し、休み時間も給食も一緒に取るなど積極的に関わってくれており、子どもたちのためにもなっている」と成果を強調。
この日視察に訪れていた道文教大の相馬哲也教職センター長・人間科学部こども発達学科教授は「2人とも非常に熱心で優秀な学生。教員として大いに活躍してくれると思う」と期待している。
また、前年度は38人、本年度は55人(独自分2人含む)が参加している草の根教育実習について「都会で過ごしてきた学生は、へき地・複式教育を知らず、勤務して初めて体験することになる。在学中に小規模校を体験できる草の根教育実習は貴重な機会。教員採用試験の際も強みになる」と述べ「各校長からどんな教員を育成してほしいかも聞き取り、量だけではなく定着率も上げていきたい」と話した。
(学校 2023-10-27付)
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