７２年前に野幌高旧校舎で火災　７人犠牲の悲劇語り継ぐ　同窓会が２５年ぶり追悼法要

（学校 2023-10-26付）

　野幌高校の旧校舎で７２年前、火災が発生し、教員資格の取得を目指す女性７人が犠牲になった。この出来事を風化させないようにと同窓会が中心になり、火災があった９月３０日に合わせて２５年ぶりとなる追悼法要が営まれた。

　同窓会の記録によると、江別町（現江別市）の野幌高校の旧校舎では当時、戦後の教育改革と免許制度の改変で教員の身分を失った、いわゆる「純無資格教員」に高校卒業資格を与えようと、道教委による講習が行われていた。

　集まったのは教員不足だった戦時中から教壇に立っていた２４５人。１０代から５０代までと年齢は様々だったが、寝食を共にしながら、正式な教員資格の取得を目指していたという。

　火災は、講習が始まって４０日目の昭和２６年９月３０日未明に発生した。校舎１階食堂付近から火の手が上がり、２、３階の女子寮にいた１９～４５歳の女性７人が犠牲になった。出火原因は分からなかった。

　同窓会が同校創立５０周年だった平成１０年に、慰霊碑を野幌共同墓地（西野幌１３８）に建立して、入仏法要を行った。

　しかし、その後は遺族の高齢化などを理由に追悼式などは途絶えていた。

　同窓会はことしで創立７５周年を迎え、会員から「火災があったことを風化させずに、語り継ごう」と声が上がった。同校の壽淺章洋校長の協力を得て、２５年ぶりに法要を行うことを決めた。当日は同窓会役員ら２０人が参列。焼香したあと、手を合わせて犠牲者をしのんだ。

　同窓会長の五十嵐徳美会長は「この出来事を忘れることのないよう、今後もできる限り続けていきたい」。壽淺校長は「地域と連携した教育活動を進めていく上でも、今回を契機に同窓会の絆を深めていければ」と話した。

(学校 2023-10-26付)