釧路幣舞中　公開授業研究会　深い学びへ授業力向上　２年社会　交流し考え表現

（学校 2023-11-02付）

　【釧路発】釧路市立幣舞中学校（小玉功校長）は１０月２０日、同校で公開授業研究会を開いた。管内小・中学校、高校の教諭ら約１１０人が参加。社会科、国語科、数学科、音楽科の４教科の授業を公開したほか、研究協議を通して授業力の向上を図った。

　同校は「主体的・対話的で深い学びを実現する授業力向上と授業改善～思考力・判断力・表現力を高めるために」と研究主題を設定し実践を重ねている。今回の授業研究会は、釧路教育研究センターの研修講座を兼ねるとともに、授業改善の質的向上・優れた取組の波及に向けて授業を公開した。

　公開授業は、２年生社会科「近畿地方」（齋藤政人教諭）、２年生国語科「立場を尊重して話し合おう」（阿部周平教諭）、３年生数学科「相似な図形（三角形の相似条件）」（木ノ内賢治教諭）、３年生音楽科「Ｒｅｃｏｒｄｅｒ　愛のしるし　みんなでアンサンブルをしようの道」（春日優貴教諭）の４授業を公開した。

　このうち、齋藤教諭が行った社会科の授業では本時の課題を「歴史的景観の保全と開発において、様々な立場の意見や課題について交流する活動を通して、自分の考えを表現する」と設定。歴史的建造物が多く立ち並ぶ京都における「歴史的景観を守りたい」「景観保全の取組」「建物高さ制限規制緩和」の視点から意見を整理しつつ「京都が持続可能な開発をしていくためにはどうすべきか」という課題に対する自分たちの意見をまとめグループ交流を行った。

　この中で生徒は「優先すべきは地域住民。住民の暮らしが豊かになるよう都市開発を進めることで、観光客が増加するのでは」「歴史的建造物が観光資源の一つである京都において景観保全は重要。景観保全に努め、観光客を呼び込むことで税収の緩和につながるのでは」など多くの意見を交わした。

　このあと、公開授業を行った４教科部会協議を実施。釧路局教育支援課の髙瀬航平指導主事（社会科）と斎慎之主任指導主事（国語科）、釧路市教委教育支援課の赤本純基指導主事（数学科）と関本祐介指導主事（音楽科）がそれぞれ助言者を務めた。

　部会協議では、グループに分かれ協議を行ったのち全体交流を行った。授業や指導案の内容をもとに、主体的な学習の手だてとして有効性の有無を協議。社会科部会の参加者からは「最新ニュースを用いることで教科書から離れた課題を提示され、生徒の思考が発展したのでは」等の声が上がった。

　社会科の助言者を務めた髙瀬指導主事は「授業展開を委ねて子どもたちの活動の時間を保障していた。現在求められている自ら学び取る授業を実現している。今後もこのような授業を期待している」と呼びかけた。

(学校 2023-11-02付)