駒っ子らしさ失わずに　学び舎との別れ惜しむ　森駒ヶ岳小　閉校記念式典

（学校 2023-11-08付）

　【函館発】森町立駒ヶ岳小学校（細川和成校長）は３日、同校で閉校記念式典を執り行った。関係者ら約１００人が出席し、思い出深い学びやとの別れを惜しんだ。

　同校は明治１６年に開校した公立宿野辺小学校が前身。大正１５年に現在地へ移転し、昭和２２年に駒ヶ岳小として改称された。

　駒ヶ岳の麓にある豊かな自然環境を生かした教育活動に取り組み、これまでに１８００人余りの卒業生を輩出してきたが、令和３年度に行った校舎の耐力度調査でほとんどの棟が構造上危険な状態と判断。少子化の影響も踏まえ、１４０年の歴史に幕を下ろすこととなった。

　閉校式で森町教委の毛利繁和教育長は「耐力度調査に伴う苦渋の決断に理解を深めていただいた」と閉校に至る経緯を振り返り、関係者に敬意を表した。次年度から森小学校や鷲ノ木小学校へ進学する在校生らについて「新しい環境で本校の歴史と伝統の力を発揮するとともに、地域の一員としての自覚を持ち、より良く生きていこうとする気持ちを高めることができるよう、引き続きの支援と協力をお願いしたい」と求めた。

　式辞に立った渡島教育局の山下幹雄局長は「地域の教育資源を活用し、学びの連続性を意識した創意工夫ある教育に取り組んできた。優れた教育実践を礎とした伝統は新たな学校へ受け継がれ、さらなる発展を遂げるものと期待している」と呼びかけた。

　細川校長は「学年縦割りの良さが本校の伝統であり、その経験は必ず社会で生きて働くものと確信している」と強調。「新しい環境においても駒っ子らしさは決して失われることはない。誰とでも分け隔てなく仲良くなれ、大自然の中で育まれてきた純真無垢で主体的に学ぶ姿勢は今後も生かし続けてほしい」と願った。

　式典では児童代表の新藤瑛斗さん（６年）が閉校実行委員会の鳥山和博委員長から記念品を受け取り、細川校長が岡嶋康輔町長へ校旗を返納。参加者は上映されたメモリアルビデオでこれまでの歴史を振り返り、思い出の詰まった学びやへ別れを告げた。

(学校 2023-11-08付)