札幌手稲東小 学びを確かめる会 “あい”のある授業を 1年国語 じどう車くらべ
(札幌市 2023-10-31付)

手稲東小「学びを確かめる会」
文章を並び替えて紹介文を作った

 札幌市立手稲東小学校(白崎正校長)は20日、同校で「学びを確かめる会」を行った。国語や算数など、1~6年生と特別支援学級の5教科9授業を公開した。公開授業後は研究協議を通じて、より良い授業づくりに向けて、研鑚を積んだ。

 研究主題は「学びをつなげる子の育成」、副主題は「“あい”のある授業づくり」。主体的・対話的に学ぶ児童たちの姿から、さらに深い学びにつなげるために、個(I)・対話(合い)・他者意識(相)・見とる(EYE)を重点的に単元構成や授業に取り入れた研究活動を展開している。

 研究の視点には①主体的(I)な学びを生む関わり②対話的(相・合い)な学びを生む関わり―の2点を設定。

 児童たちが意欲的に学ぼうとスイッチを入れる瞬間を生むための教師の関わり、児童同士の活発な交流を促すための手だて(実物投影機やネームカード)やICT活用を積極的に導入し「生き生きと意欲をもって学ぶ子」の育成を目指している。

 この日は国語や算数、体育、道徳、特別支援教育、1~6年生と特別支援学級の5教科9授業を公開した。

 うち1年2組国語「せつめいする文しょうをよもう~じどう車くらべ」(渡部貴明教諭、児童数30人)では、はしご車の「しごと」と「つくり」を捉え、役割を紹介する文章を作る活動を行った。

 本時は、7時間扱いの6時間目。

 単元を通して、事柄の順序を考えながら、内容理解・重要な語や文章の抜き出しをねらっている。前時までに、バスやトラックなど3種類の自動車の「しごと」や「つくり」を読み込んできた。

 本時は、はしご車を題材として児童たちが自ら考えたキーワードや表現で紹介文を作ることで、文章の構成や推敲をねらう言語活動を行った。

 渡部教諭は、導入で既習内容をスライドで復習。はしご車の紹介ビデオを上映して「はしご車はどのような仕事をするのかな?」と呼びかけた。

 児童からは「火を消す・高い所から人を助ける仕事」「長いはしご・ホースなどのつくりがある」と発言があり、渡部教諭はキーワードを教科書本文に即した一文に書き換えたあと、その場でオクリンク上でカード化した。

 個人で文章を並び替える活動後は、同級生と見比べる活動をした。

 しごととつくりを結び付けるには「そのために」カードが必要だという児童の声を受け、そのためにカードを追加。接続語の重要性に気付かせるための工夫として、渡部教諭は、そのためにカードを意図的に抜いておいた。

 続いて「みんながどのように並び替えたか見てみよう」と全体交流。自然なつながりになるように、順番や組み合わせを気を付けながら、はしご車は「高い所から人を助ける仕事をしています」「そのために伸び縮みする長いはしごがついています」「人が乗れるバスケットがついています」という文章を作った。

 渡部教諭は、しごとを「火を消す」に変えても文章は意味が通るか投げかけ、選んだしごとに合わせてつくりも変える必要性があることを伝えた。

 「はしご車を紹介するページができたね」と締めくくり「教科書に付け加えるにはどうすればいいだろう?」と次回の展望を示した。

 授業後は、研究協議を行った。国語部会の研究テーマは「“あい”が生まれる言語活動を通して、仲間と共に確かな言葉の力を身につける国語の学習」。実生活で役立つ言語能力を習得させるための授業づくりに向けて、活発に意見を交流した。

(札幌市 2023-10-31付)

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