札幌市教委　６年度から不登校の子に　自然体験の機会を提供　自己有用感や対人関係能力向上

（札幌市 2023-11-24付）

　札幌市教委は６年度から、宿泊学習などに参加できない不登校児童生徒に、自然体験の機会を提供する事業を始める計画だ。民間企業や大学などと連携して実施する野外活動を通じて、自己有用感や対人関係能力の向上を目指す。同時に、地域で活動プログラムを実施できる人材育成も進めていく方針。

　新事業は「仮称・チャレンジ自然体験」で、対象は市内に６ヵ所ある教育支援センターに通所する小中学生。同センターで行う体験活動の一つとして実施する。これまでの体験活動は、屋内での軽運動やものづくりなどが中心だった。

　来年度からは、野外教育施設などで日帰りのプログラムを提供することで、自然や他者と触れ合う機会をつくる。自己有用感や対人関係能力の向上をねらい、学校生活の再開や社会的自立の一助になることを目指す。

　企画・実施は民間業者に委託し、大学や研究機関から指導助言などをもらう予定。

　また、地域で自然体験活動のプログラムを実施できる人材育成も同時に進める。

　主に大学生などの１８歳以上を想定しており、野外教育や安全管理に関する基礎知識や、プログラムの作成、実技を学ぶ全５回以上の講座を受けてもらう方針。全日程を修了した人には、市から修了証を交付することを予定している。

　２つの事業を一体的に進めることで、持続可能な体制を構築していく。

(札幌市 2023-11-24付)