札幌市中央区Ｐ連　第３７回研修会　子の自尊心傷つけずに　冷静に言い聞かせる大切さ

（札幌市 2023-11-24付）

　札幌市中央区ＰＴＡ連合会（長谷川建会長）は１７日、市内のかでる２・７を主会場に第３７回教育研修会をハイブリッド開催した。講演会とディスカッションを通じて、子どもの叱り方・関わり方について研修。参加者全員が「自尊心を傷つけず、冷静に言い聞かせる」ことの重要性を共有した。

　この日は、会場にＰＴＡ関係者１９人と市教委職員４人、オンライン３５人が参加した。

　冒頭、長谷川会長があいさつ。「子育てに迷い悩んでいる保護者の皆さんに示唆を与える良い機会。つぎにつながる経験やヒントを学んでほしい」と話し「しっかりメモを取り、活発に意見交換や質問をしてほしい」と呼びかけた。

　つぎに、児童精神科医の故佐々木正美氏の講演を上映した。

　「子育てにおいて最も大切なことは、自尊心を傷つけないこと」と強調。「大抵の親は子どものためを思う一方で、自分自身の感情や衝動を自制できずに叱りつけてしまう」とし「子どもは信頼と尊敬できる人からしか学べないため、親は冷静を保ち丁寧に駄目なことは駄目と言い聞かせることが重要」と伝えた。

　また、少年院を訪問し非行少年と会話したりいじめを繰り返す子どもをカウンセリングしたりした経験から「子どもが無条件に愛され親に対して安心感を抱くことによって本音を言い合える関係性を築ける」ことを話した。

　それを実現するためには「日頃から親自身が見栄や世間体を捨てて愛情豊かに歩み寄り、他者の気持ちを思いやることを忘れないで」と呼びかけた。

　続いて、佐々木氏と長年にわたって親睦があり彼の考え方を継承している、わくわく創造アトリエ札幌中央プレイルームの村上深雪代表を講師としてディスカッションを行った。

　村上代表は、子どもとの接し方について「中学生や高校生だから何でもできて当たり前と思い込まないで」と念押しし「誰だって失敗して落ち込むことがある」と述べた。まずは「言っていること分かるよ」と共感を示し、子どもの困り事に対してたくさんの助け舟を出す重要性を説いた。

　質疑応答では「どうしても勉強しなさいと叱りつけてしまう」という悩みに対して「やりたくない日があってもいいよね」と子どもの気持ちに寄り添うことを提案。

　「子どもは誰もが魅力的な部分がある」と前置きして、子どもが苦手に思っていることややりたくない気持ちを受け入れることで「得意な面を育てていくことにつながる」と示唆した。

　最後に、魔法の言葉として「ありがとう、一緒にやろう、大丈夫、うれしい、なるほど」を紹介。「これらの言葉を鍵にして、幸せな家庭を築いてほしい」と訴えた。

(札幌市 2023-11-24付)