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リーディングＤＸ校の旭川緑が丘中　新たな時代の授業へ研鑚　ＩＣＴ有効活用し授業公開
（市町村 2023-11-24付）

ＩＣＴを使わせながら指導する岡野教諭

　【旭川発】文部科学省のリーディングＤＸスクール事業の指定校・旭川市立緑が丘中学校（貞弘真悟校長）は１０月下旬、同校で授業公開・校内研修会を実施した。研究主題「“自ら学ぶ”緑中生の育成～学びのＤＸ実現に向けた個別最適な学び・協働的な学び」のもと、全学年の授業を公開したほか、文科省学校ＤＸ戦略アドバイザーの平井聡一郎氏がＡＩとの関わり方などについて講演した。参加者は、新たな時代に求められる授業づくりに向けて研鑚を積んだ。

　リーディングＤＸスクール事業は、全国各地で１人１台端末やクラウド環境を活用した効果的な教育実践の創出・普及を図ることが目的。日々の授業改善、家庭学習や校務効率化など教育課程全般にわたって実践を行いながら、全国に事例を展開するもの。

　旭川市からは緑が丘中、緑が丘小学校、西御料地小学校、緑新小学校の４校が指定されている。

　今回、緑が丘中がＩＣＴを活用した授業改善に向けて取り組んでいる様子を広く公開し、普及を図ろうと授業公開・校内研修会を実施。市内外の教職員をはじめ、上川教育局、旭川市教委の職員を合わせて６３人が参加した。

　授業公開では、岡野友和教諭ら１５人がＩＣＴを活用した実践を披露した。

　岡野教諭は、１年生理科の単元「身のまわりの現象」のうち「光の屈折」の授業を展開。手書きノートアプリ「Ｇｏｏｄｎｏｔｅｓ」を活用して、屈折した光の進行方向や角度などの作図を指導した。

　手書きで描いた線や図形の形をＡＩが自動で整えたり、ジャンルごとにファイルを作成できるなどノート管理がしやすかったりするアプリの機能を生かし、見やすい・見返しやすいノートづくりを通して知識の定着を図る取組などを紹介した。

◆ＤＸアドバイザー・平井氏招き講演会

　つぎに、平井氏が「ＮＥＸＴ・ＧＩＧＡの学びのデザイン～ＡＩと共に生きる時代の学び」と題して①生徒の主体的な学びに生成ＡＩが生かせること②課題解決型学習にＩＣＴを活用することの重要性―の２点について講演した。

①では、変化の激しい時代において「自分自身で対応していく力を身に付けさせることが学校に求められている」とした上で、学習した内容から最適解を選出する生成ＡＩの特性と、人間に備わった自発的に物事を考えたり、文章を理解したりすることができる能力を対比。

　「ＡＩに授業の構成を聞くなど役割を与えて導き出した最適解をもとに、教師が生徒の実態などを踏まえて内容を考えるなど、ＡＩをたたき台として利用できる」と説いた。

②では、天気図の気圧や前線から天気の変化を読み取る授業を例に、生徒が課題解決に向けてＩＣＴを利用するよう促す指導方法を紹介した。

　生徒が見つけた課題に対して、すぐに答えを教えるのではなく、解決するまでの過程や道筋を示すことの重要性を説いた。