旭川市教委　学校力向上地域協　ＩＣＴ活用の指導充実へ　北門中教諭が実践発表など

（市町村 2023-11-27付）

　【旭川発】旭川市教委は１０月下旬、市立北門中学校（日比生司校長）で学校力向上に関する総合実践事業第３回地域協議会を開催した。中核校・指定校の教職員ら３０人が出席。同校１年生体育と２年生理科、３年生国語の授業を踏まえた協議を通して、ＩＣＴを効果的に活用した教育の充実に向けて今後の方向性を共有した。

　道教委は、平成２５年から学校力向上に関する総合実践事業を開始した。管理職のリーダーシップのもと、全教職員が一丸となって包括的に学校改善を推進。実践の成果を普及・啓発することで、本道の小・中学校の学校力向上を図っている。

　市では、中核校の大有小学校（佐藤潤一校長）を軸に、指定校となっている北門中、近文小学校（青山天生校長）、北光小学校（山口真希校長）の３校と連携して取組を進めている。

　この日の会合には、中核校・指定校の管理職、主幹教諭、事務職員や上川教育局の佐藤忍義務教育指導監、高橋哲雄義務教育指導班主査が出席した。

　北門中１年生体育と２年生理科、３年生国語の授業参観を行ったあと、同校の荒木健地教諭が北門中の取組と今後の方向性を説明した。

　荒木教諭は、ＩＣＴを活用した授業改善に向けて取り組んでいることを解説。「１年ごとのスパンで、一つの教科を教科担当の教員以外も協力しながら授業改善を進めていく“北門スタイル”にのっとって」とした上で「同校の教員一人ひとりがＩＣＴ活用について研究した成果やノウハウをグーグルクラスルームなどに共有し、他の教員の成果を自身の授業改善に取り入れやすくしている」と紹介した。

　今後の取組については「同校教員は今現在、ＩＣＴを活用した授業の実践経験が不足しているため、様々な改善策にチャレンジし、成果を積み重ねて全体で共有していきたい」「教員らが参集しての研修会を増やしていきたい」などの方針を示した。

　最後に、佐藤義務教育指導監と高橋班主査が助言した。

　佐藤義務教育指導監は、学校指導訪問で教員のＩＣＴ活用状況の二極化や子どもたちが主体的に端末等を触っていない授業があったことを紹介し「ＩＣＴを十分に活用する教員を増やし、子どもたちが自ら学びをつくっていくよう指導する授業に向けて改善を重ねてほしい」と伝えた。

　高橋班主査は「教員の技術としてＩＣＴを活用することで授業改善を図ることができ、結果として子どもたちの学力の向上につながる」とし「“ＩＣＴか紙か”の二者択一にするのではなく両者を融合すること、ＩＣＴを使うことが目的にならないようにすることの２つを意識しながら授業改善を進め、子どもたちが主体的に学びをつくってほしい」と呼びかけた。

　第４回協議会は、１２月２０日に北光小で開く。

(市町村 2023-11-27付)