中札内村 持続可能な指導体制構築へ バドミントン協会設立 指導者間連携や指導法共有(市町村 2023-11-29付)
【帯広発】中札内村で子どもたちへの競技指導を活動の主軸とする「中札内バドミントン協会」が設立された。指導者間の連携強化や指導方法の共有を図ることを目的としている。部活動の地域移行に伴い、スポーツ少年団の9年制を構想する村教委は、持続可能な指導体制の整備によって、子どもたちが中学校進学後も活動を継続できる環境づくりを目指している。
中札内バドミントン協会は元来、会員間の練習をメインに活動を続けてきたが、会員数の減少によって約3年前に解散。元会員らは個人で少年団活動の指導を引き受ける状態が続いている。
中札内バドミントン少年団は指導者の確保に苦慮しており、保護者の知人等に声をかけながら子どもたちの活動を指導。今春、安定した指導体制の構築に向けて村教委に相談を持ちかけた。村教委は8月、部活動の地域移行に向けた取組の一環として、村内でバドミントン経験者等を対象とした村広域スポーツ指導者講習会を実施。指導できる地域人材が村内に複数人いるものの、連携が取れていない現状が明らかになった。
これらを踏まえ、元会員と村教委は、子どもへの指導を活動の主軸に置いた組織の構築を検討し、今月24日に中札内バドミントン協会を再設立。10人の競技経験者が入会している。
現在、会員らは少年団における週3回の練習を指導しており、毎週参加できる人材と不定期に月数回ほど参加する人材に分かれている。個人による仕事と少年団指導の両立、持続可能な指導体制の整備に向けて、連絡を取りやすい環境づくりを一つの目標としている。
また、日々の練習内容を話し合うきっかけとなる人物が不在な中、指導方法のばらつきを懸念する声もあった。「月ごとの目標があると、子どもたちの練習にも活気が出るのでは」など、個人で思っていても実現できなかった例もあるという。解決に向けて、各曜日ごとのリーダーを決め、核となる指導者を立てることで指導者間の連携を図ることを構想。指導の在り方や練習内容を全体で共有し、子どもが混乱することなく、楽しく活動できる環境整備を目指す。
来年度以降、少年団との連絡は協会事務局が受け持ち、スケジュールを管理していく。少年団からの謝礼は協会が一律で受け取り、「金銭の受領を目的に指導するわけではない」という会員の共通理解のもと、シャトルの購入などによって子どもたちの活動に還元していく方針だ。
損害保険に関しては、個人で加入していない会員は、団体としてスポーツ安全協会の保険に加入する見通し。他種目で指導者確保に向けた同様の動きがあった場合は「謝礼および保険加入の在り方に格差が生じないよう、行政に管理を任せたい」と話している。
会員たちは「大人たちが連携して話し合っている姿は子どもたちにも伝わる」「少年団出身者が村内に戻ってきたとき、経験を伝えるサイクルをつくり出せたら」と期待を寄せている。
バドミントンは村内中学校の部活動種目にない競技。村教委は部活動の地域移行に伴いスポーツ少年団の9年制を検討する中「指導体制を整備することで、子どもたちが中学校進学後も活動を続けられる環境を整えたい」と話している。
(市町村 2023-11-29付)
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