TOPPAN開発電子防災学習教材 全小・中学校に導入 木古内町教委 6年度から(市町村 2023-12-04付)
木古内町TOPPANとの連携協定
【函館発】木古内町教委は、TOPPAN㈱が開発したデジタル防災学習教材を次年度から町内の小・中学校に導入する。発達段階に応じた災害に対する備えを段階的に学習できるシステムで、教員用の指導資料も備える。町と同社の防災連携協定締結によって、今後は地域の特徴に応じた雪害に関するコンテンツのアップデートを進める予定。本年度は社会教育イベントで教材に触れる機会を提供する。
同社が開発した「デジ防災」は専門家による監修のもと、小学1年から中学2年までレベルに応じた80種類のコンテンツを用意している。
1人1台端末上で災害発生時の判断を問うクイズでは災害時に必要とされるスピード、知識、思考力、判断力、観察力がグラフで表示され、個々の知識や指導強化が必要なポイントの可視化が可能。クラスや学校単位の回答率を集計できるため、今後の学習や訓練に生かすことができる。
各コンテンツは約10分間と短時間で取り組めるため、宿題や授業外のホームルーム等で効率的に学習を進められる利点がある。教員用の指導資料も含み、授業準備の負担軽減にもつながることが期待される。
システムに導入されているカリキュラムは、地震や津波、熱中症、気象災害など多岐に渡る。小学校低学年ではこうした様々な災害に対する備えを習得。中・高学年では学校または通学路で災害に遭った際の対応、避難所での健康維持、消火器の使い方などを学び、中学生ではエレベーターが停止した際の対応や災害時の自助・共助・公助について理解を深め、地域の復興の力となる人材育成を目指すことができる。
一方、寒冷地の道内では雪害に対する備えや知識の習得が必要となる。道内で初めて町と防災に関する連携協定を締結した同社は自然災害を体験できる「災害体験VR」を寄贈。デジ防災に地域の特徴を踏まえたコンテンツの充実を図る意向を示しており、地域の防災教育の充実に向け、木古内町モデルの実証実験を進めていく考え。
◆木古内町とTOPPAN 独自モデル全国展開へ 地域防災で連携協定締結
木古内町とTOPPAN㈱は11月22日、町役場で地域防災に関する連携協定を締結した。同社が有する防災ソリューションのノウハウを効果的に発揮することで、町の防災DXを推進。町内小・中学校の防災教育に力を入れるとともに、町民の防災力向上を図る取組を通して「木古内モデル」の取組を全国展開する。
連携事項は町民に対する防災イベントの実施、防災教育の充実、地域防災力の向上に向けた助言や情報提供など5項目。地域の特徴に応じた防災力の強化や過去の災害教訓伝承に向けた協働実証研究を進めていく。
社会課題解決に向けた社会的価値創造企業の実現を目指す同社では、人々の防災意識向上に向けたサービスを開発。児童生徒向けのデジタル防災教材やオンライン津波システムなど様々な商材を提供している。
少子高齢化が進む町では、大規模地震や津波だけではなく、過去の経験から豪雨や豪雪などの自然災害に対する備えが喫緊の課題となっている。
新たな地域防災のモデルケースの創造に向け、道内初となる連携協定を結んだ鈴木慎也町長は調印式で「自然災害に関する町の歴史を振り返ると、多方面からの力添えが必要と判断した。町民の命を守るためにも、地域防災のリーダー育成が不可欠」と強調。
同社の我妻康執行役員東日本事業本部北海道事業部長は「新しい地域防災のあるべき姿を目指し、木古内のモデルを全国へ発信していきたい」などと力を込めた。
(市町村 2023-12-04付)
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