紋別市教育向上ＰＪが道徳研修会　授業力向上目指し研鑚　紋別小、潮見中で公開授業等

（市町村 2023-12-13付）

紋別市教育向上プロジェクト道徳授業研修会

　【網走発】紋別市教育向上プロジェクトは１１月３０日、潮見中学校（竹田継寿校長）と紋別小学校（大岩芳江校長）を会場に道徳授業研修会を開いた。小・中学校の公開授業や教育講演会などを通して、道徳授業における教職員の授業力の向上を図った。

　道徳授業研修会には、オホーツク・上川・宗谷管内の小・中学校、義務教育学校の教職員ら５６人が参加。また、十文字学園女子大学教育人文学部児童教育学科の浅見哲也教授を講師として招いた。

　午前中は、潮見中の３年生「相互理解・寛容“恩讐の彼方に”」（大河原崇主幹教諭）の授業を公開した。

　話のあらすじは、数々の悪事に手を染めた了海という僧が、罪滅ぼしとして、危険な崖に安全なトンネルを切り開こうと決意。そんな中、了海に実の父を殺された実之助が現れ、復讐しようとしたものの、作業を手伝っている石工の願いを受け入れ、トンネルが出来上がるまで待つことにする。実之助は本懐を遂げる日を早めるために、石工に交じって掘削を始めるのだが、完成した時には了海を討つ気持ちが消えていた、というもの。

　生徒たちは、トンネルが完成したあと「実之助の心を動かしていたのは何か」をグループで考え、それをクラス全員で共有できるようにジャムボードに記入。「敵よりも成し遂げた偉業に対する感動が大きかった」などの意見がジャムボードに寄せられる中、各班は他のグループの意見も参考にしながら、班長が中心になり考察を深めていった。

　また、教師は「あなただったら、どこがグッとくる？」などと生徒に発問し、自分事として捉えてもらうよう促した。

　午後は、紋別小５年生の「相互理解・寛容“ブランコ乗りとピエロ”」（野尻智教諭）を公開した〓写真〓。教材は、サーカス団長のピエロが自己中心的なブランコ乗りのサムに腹を立てていたものの、演技後に肩で息をしているサムの姿に心を打たれ、理解を示すようになり、互いに心を通い合わせるようになるという物語。

　テーマは「考えが違う者同士が、許し合って暮らすにはどんな心が必要か」。はじめに、児童自身の実感として「許せないのはどんなときか」を近くの人と話し合った。

　その後、ピエロのサムに対する気持ちの変容を追いかけながら「どうしてピエロが許す気持ちになったのか」を手掛かりに、自分との関わりで“許すということの大切さ”を考えてもらった。

　授業公開後は、浅見教授が「子どもの良さや可能性を生かす道徳教育」と題して講演した。

(市町村 2023-12-13付)