小中一貫教育へ池田町教育推進研　保育園と連携・協働　道教大教授が運動遊び見学

（市町村 2023-12-19付）

池田町保育園連携

　【帯広発】池田町教育推進研究会は、小中一貫教育推進に向けて全教職員が取組の企画・検証を進めている。健康・体育指導検討部会では、児童生徒の体力向上を見据え、町立池田保育園との連携・協働を検討。初弾の取組として、８日に同園で道教育大学旭川校の高瀨淳也教授による運動遊びの実践を見学する機会を設けた。

　町内では小中一貫教育の７年度導入を目指し、全教職員が参画する町教育推進研究会、町教育研究所、町教委が連携して準備を進めている。研究会では小・中学校の各分掌に応じた６部会を設定し、具体的な取組を検討している。

　健康・体育指導検討部会は、小・中学校の新体力テストの結果から、持久力の育成など、今後意識すべき内容を分析。義務教育期間を通した体力向上の推進を目指す中、子どもたちが幼児期から運動に親しみ、就学後へとつなぐ必要性を課題に挙げた。

　池田保育園との連携強化に向けて、今回は多様な運動遊びを学ぶ研修の場を設定。道教育大旭川校の高瀨教授を講師に招き、中学校教員や保育士が園児に対する運動遊びの実践を見学した。

　中でも、スポンジ状のポールを活用した鬼ごっこでは、園児たちがポールに当たらないよう走って逃げたり、しゃがんで避けたりするなど、多様な動きを交えた運動につなげた。

　当たった場合は所定の場所に３秒間座ってから戻るルールで、運動しない時間を極力抑えた仕組み。園児たちは「もっと鬼ごっこしたい！」と迫るほど、運動を楽しんだ。

　池田中学校の澤辺渉教諭が主導した運動遊びでは、玉入れに使う紅白玉を段ボールの的に当てるゲームを実践した。園児たちの興味を高めるため、段ボールには人気のあるキャラクターの画像を貼付。園児たちは所定の位置から球を投げ、全ての的を倒すと一斉に喜んだ。的の位置を少しずつ遠ざけ、難易度を上げながら、コントロールの安定性向上や投げる動作による全身運動につなげた。

　保育士は「子どもたちが楽しく体を動かせる方法を知ることができ、勉強になった」と話した。

　今後、高瀨教授から助言を得ながら、小・中学校の取組を進める予定。新体力テストの結果分析は幼稚園、小・中学校の教職員で共有する。

　澤辺教諭は「就学後の運動に必要な力を幼児期から育て、１２年間を通した体力向上につなげたい」と話している。

(市町村 2023-12-19付)