今金町教委　休日部活動支援で６年度　サポーターバンク試行　人材確保へ競技等経験不問

（市町村 2023-12-27付）

　【函館発】今金町教委は中学校の休日部活動を支援する人材確保に向け、次年度から「いまかね部活動サポーターバンク」をモデル試行する。潜在的支援人材の掘り起こしを目的に独自で検討しているもので、運動部、文化部共に競技等経験のない人材の登録が可能。恒久的な自治体の財源確保や持続可能な学校部活動の視点からボランティアとして募集する。町教委の棚橋大記学校教育グループ係長は「学校と地域住民が部活動を通してつながりを深めることで、支援者の間口を広げたい」と話す。

　町の総合型地域スポーツクラブ「いまかね」では、１７の文化団体と３１のスポーツ協会加盟団体を有し、町内の児童生徒が複数のスポーツに取り組める環境にある一方、会員の高齢化や学校部活動の地域移行に関する認識が広がっていないことが課題となっていた。

　町教委が教職員を対象に行ったアンケートにおいても「学校部活動が地域移行する場合、地域のクラブ活動に所属し、兼職兼業として希望するか」の問いに「分からない」と答えた教員の割合が半数を占めており、町教委は「地域移行の意図や方向性について理解深化を図る必要がある」と分析している。

　支援者の確保に向けては土日のサポートに協力でき、指導経験を問わない人材の登録を可能とする。救急救命講習など町が示す一定の研修を受講し、国や町が示す部活動の方針を順守できる人材を基本条件に選考する。

　試行期間は次年度当初から７年３月３１日まで。謝金等は設けずボランティアとして団体・個人を問わず、随時募集する予定。高校生や町外の住民については今後検討を進めていく。

　制度は顧問の指導カリキュラムに沿って、土日の大会引率のみでも対応できる人材の掘り起こしを視野に入れている。

　棚橋係長は「指導者という垣根の高さによって、支援者が埋もれている可能性がある。部活動を通した制度によって学校と町民の結び付きを一層強めるきっかけにもつながるのではないか」と話している。

(市町村 2023-12-27付)