保小接続カリキュラム開発 6年度から試行導入 佐呂間町教委 会議で中間報告等
(市町村 2024-01-10付)

佐呂間町教委保小接続カリキュラム開発会議
佐呂間町教委保小接続カリキュラム開発会議

 【網走発】佐呂間町教委は昨年12月中旬、町民センターで第2回保小接続カリキュラム開発会議を開いた。千葉大学の天笠茂名誉教授、町教委の谷川敦教育長、町内の小・中学校長ら委員13人が出席。保育所保育指針などに記載されている「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」を関係者全員で共有しながら、作成した幼児期のアプローチカリキュラムおよび小学校入学後のスタートカリキュラムについて中間報告を行った。来年度以降は、作成したカリキュラムを試行導入し、幼児教育と児童教育における学びの接続を検証・改善していくことを確認した。

 町教委では、幼保小の接続期における教育の質的向上を図るため、5、6年度の2年間で「幼保小の架け橋プログラム」の開発・実践に取り組んでいる。町内には小学校と保育所が、佐呂間・若佐・浜佐呂間の各地区に1校ずつある。これまで地区ごとに計4回、小学校教員が保育所を訪問し教育内容について理解を深めるワーキンググループを実施してきた。

 今回の第2回会議は、ワーキンググループを通じて作成してきた幼児期のアプローチカリキュラムと小学校入学後のスタートカリキュラムの中間報告を通して、カリキュラムの評価・検討を行うことが目的。

 会議では、保小連携コーディネーターを務める菅原正弘氏が事業経過を報告したあと、カリキュラムの中間報告を行った。

 はじめに、カリキュラムの開発に当たっては、保育所保育指針などに示されている“健康な心と体”“自立心”“協同性”などの「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」に加えて、町がプラスワンの力として設定した“豊かなコミュニケーション”を保小接続の視点として関係者全体で共有してきたことを説明した。

 これらの視点をもとに、幼児期(アプローチカリキュラム)と1年生(スタートカリキュラム)のカリキュラムを策定(概要版)。各カリキュラムで1年間を準備期(4、5、6月)、進展期(7、8、9月)、発展期(10、11、12月)、充実期(1、2、3月)の期間に分け、保育所において絵本や製作活動、運動など多種多様な遊びを通して育つ資質・能力と小学校の各教科において身に付ける資質・能力がどのように展開され、2つのカリキュラムがどのように結び付くのかを示した。

 千葉大の天笠名誉教授は、スタートカリキュラムの準備期(4、5、6月)について「準備期として一くくりにするだけではなく、例えば4月は生活科を中心として国語は5月からというように、保育所の教育活動との連携・つながりを意識したより細かな月ごとの教育課程を工夫していく必要がある」とアドバイスした。

 谷川教育長は「幼児期の学びが、その後の学びをどれだけ支えているかということについてこれまではあまり見えていなかった。この時期の原体験がとても大事なものであることを共有しながら今後も取り組んでいくことが大切」と話した。

 来年度は、子ども同士の交流や保小職員同士の研修機会を設けていくとともに、作成したカリキュラムを試行導入し、幼児教育と児童教育における学びの接続を検証・改善していくことを確認した。

(市町村 2024-01-10付)

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