北広島市教研 研究中心校発表会　共通視点の有効性探る　大曲地区３校で授業公開等

（市町村 2023-12-01付）

北広島市教育研究会研究中心校発表会

　北広島市教育研究会は１１月２２日、北広島市立大曲中学校、大曲東小学校、大曲小学校で５年度研究中心校発表会を開催した。研究主題「意欲的に学習に取り組み粘り強く学び合う児童・生徒の育成～授業スタンダードを活用した授業実践を通して」のもと、計８教科１４授業を公開。分科会では、３校の共通視点「授業スタンダード」の有効性などを協議し、授業力向上に向けて研鑚を積んだ。

　同校区の小中一貫教育は平成３０年度から始まった。３校は目指す子ども像「かしこく　ただしく　ねばり強く　たくましく」を共有。その実現を目指して、研究主題を設定した。

　２年度からは、３校の共通視点として授業スタンダードを掲げた。「単元全体をデザインする授業」「自分の伸びを実感する授業」「思考過程を可視化する授業」「考えを共有し深める授業」の４観点に基づき、各校が相互評価し、足並みをそろえる手だてを講じた。

　大曲中（藤野十志幸校長）では特に、ＩＣＴを活用した思考過程の可視化、目的を明確にした話し合いの実践に基づく授業を展開している。

　この日、同校では６教科６授業を公開した。

　うち１年３組英語「Ｌｅｓｓｏｎ６　Ｌｕｎｃｈ　ｉｎ　Ｃｈｉｎａｔｏｗｎ」（大畑洋平教諭、生徒数３１人）では、相手に好みや性格に合った店を理由と共に提案する言語活動を行った。

　本時は１３時間扱いの５時間目。単元を通して、食事に関する場面や目的に応じて内容理解、表現できる姿を目指している。

　前時までに、疑問詞を用いる疑問文の文構造や意味内容を理解し、本文の内容を整理してきた。

　冒頭、大畑教諭は架空の留学生６人を想定し「それぞれの好みや性格に合ったお店を紹介して、友達思いな提案をしよう」と目的を明確化。留学生の「Ｗｈｉｃｈ　ｒｅｓｔａｕｒａｎｔ　ｄｏ　ｙｏｕ　ｒｅｃｏｍｍｅｎｄ？」「Ｗｈｙ　ｄｏ　ｙｏｕ　ｒｅｃｏｍｅｎｎｄ　ｉｔ？」に対する回答文をグループで考えさせた。

　エスコンフィールド北海道巡りを提案したい生徒たちは、球場施設をどう表現するか悩んだ。大畑教諭の「簡単な日本語で言い換えてみて」という助言に従って、翻訳サイトを参照し「Ｂｅｃａｕｓｅ　ｉｔ’ｓ　ａ　ｎｅｗ　ｂｕｉｌｄｉｎｇ」と表現した。

　各班がグーグルスライドに回答を記入したあと、ペアでそれぞれ提案し合い、対話練習した。

　好みに合わない提案には「Ｄｏ　ｙｏｕ　ｋｎｏｗ　ｏｔｈｅｒ　ｒｅｓｔａｕｒａｎｔ？」と返答し、より実践的な場面を想定した会話練習を繰り広げ、知識・技能のさらなる定着に励んだ。　

　授業後は、全体会を行った。

　藤野校長は「３校の学びと育みの連続性を見取り、建設的かつあすにつながる意見を頂戴したい」と話した。

　吉田孝志教育長は「市内の小中一貫教育の中心的な役割を果たしている羅針盤。授業観・指導観向上につなげて」と期待を寄せたた。

　研究概要説明や各校の実践発表のあと、分科会。

　参加者は①「単元をデザインする」ことが、単位時間のねらいを明確にし、児童生徒が意欲的に学習に取り組み、必要な資質・能力を身に付ける授業の実現につながっていたか②単位時間において「思考過程の可視化」「考えを共有し深める」「自分の伸びを実感する」指導の工夫を行うことが、児童生徒が粘り強く学び合い、資質・能力を高め合う確かな学びにつながっていたか―の２点について討議を重ねた。

(市町村 2023-12-01付)