道中学校長会調査 部活動地域移行 7年度までに実現 14% CS導入は14ポイント増(関係団体 2023-11-27付)
道中学校長会(森田聖吾会長)は5年度の教育課程に関する調査研究報告書をまとめた。部活動の地域移行に向けた取組を開始している地域うち、7年度までにほぼ地域移行できる見通しと回答した中学校は14・2%。取組状況は地域間で差があり、胆振地区やオホーツク地区などの先進事例をもとに情報交流を進める必要性を示している。
調査は、道内中学校における学習指導要領の取組状況を把握し、課題を明らかにするために隔年で実施しているもの。今回、新たに「部活動の地域移行」の調査項目を設定した。調査対象は全道の561校。556校から回答を得た。
教育課程に関する調査結果をみると、学力の定着など資質・能力の育成に向けた方策の重点は「ICT環境を活用した“個別最適な学び”と“協働的な学び”」が85・6%で最も高い。カリキュラム・マネジメントの充実に向けた取組は「学習評価の改善を学校教育全体に位置付け」が63・7%で最高。
発達障がいのある生徒の課題は「指導体制」が43・3%と高い。解決の方策として「関係機関との連携」を挙げている割合は64・1%で前回調査から28ポイントと大きく増加しており、道中は「協働体制を強化してチーム学校として指導方法や指導体制を確立することが喫緊の課題」と指摘する。
小中連携・一貫教育の取組は、オンラインなど新しい形態の参観が可能となることで「教師の授業参観」が90・5%と最高となった。9年間の教育課程編成に取り組んでいる学校は29・8%。一方、課題として「9年間を通じた教育課程の編成」を挙げた割合も61・9%と最も高く、導入段階からつぎの段階に移行しつつある。
コミュニティ・スクールを導入する中学校の割合は77・7%で、前回調査から13・6ポイント増加した。成果として78・8%の学校が「学校と地域の情報共有」を挙げている。
課題は「管理職や教職員の勤務負担の増加」が12・1ポイント減の35・3%となった一方、「制度の形骸化」が12・1ポイント増の18・7%で上昇した。
部活動の地域移行に向けた取組状況をみると「市町村主体(教育委員会)で取組を始めている」が41・8%、「学校独自で取組を進めている」が4・1%、「地域の団体主体で取組を始めている」が1・8%。これらのうち「全部活動、移行可能」と回答した学校は2・6%、「ほぼ移行できる見通し」が11・6%だった。
地域移行を進める上での望ましい形(複数回答)は「地域のスポーツ・文化団体と連携し、学校と地域が協働・融合した形」が66・8%、「地域クラブ等と学校部活動の連携強化」が44・3%と高い。
このほか「高校・大学・特別支援学校との合同実施」「拠点校方式の導入」「市町村単位で部活動を設置」など各地域の状況に応じた様々な意見が寄せられた。
(関係団体 2023-11-27付)
その他の記事( 関係団体)
渡島公立学校教頭会 第58回研究大会 目指す授業像共有して 渡島局・五十嵐指導監が講演
【函館発】渡島公立学校教頭会(太田浩司会長)は18日、北斗市農業振興センターで第58回研究大会を開いた。大会主題「未来を切り拓く力を育む魅力ある学校づくり」のもと、渡島教育局の五十嵐義幸義...(2023-11-29) 全て読む
内田洋行×道教大が秋季セミナー 12月12日オンラインで 十勝管内の5人が実践発表
㈱内田洋行と道教育大学は、12月12日午後1時から「北海道初 GIGA活用セミナー秋 in帯広」を開催する。十勝管内の学校、自治体を跨いだリレー登壇では管内の教育関係者5人がICT活用の取...(2023-11-28) 全て読む
恵庭若草小で石狩管内課題研究発表会 UDLに基づく授業 4年体育 学びの地図活用し
5年度石狩管内学校課題研究発表会が11月上旬、恵庭市立若草小学校(市橋英雄校長)で開催された。同校の研究主題「主体的に学ぶ子どもの育成~自立を促す学習環境づくりを通して」のもと、5教科7授...(2023-11-27) 全て読む
石狩公立小・中女性管理職会が研修会 子に約束した資質等を 石狩局・安栄指導監が講話
石狩管内公立小・中学校女性管理職会(設楽真奈美会長)は14日、ホテルポールスター札幌で秋季研修会を開催した。会員ら約25人が参加。石狩教育局の安栄智裕義務教育指導監が授業改革について講話を...(2023-11-27) 全て読む
物価高騰受け 検定料値上げ 英検が6年度から
公益財団法人日本英語検定協会は21日、6年度から英検検定料を改定すると発表した。従来型の英検は1~2級が700円、準2級が600円、3級が500円、4~5級が200円ぞれぞれ値上げとなる。...(2023-11-27) 全て読む
帯広市校長会 学校経営研究協 変化の時代に対応して 提言発表や新山十勝局長講演
【帯広発】帯広市校長会(伊賀真美会長)は16日、市役所で学校経営研究協議会を開いた。市内小・中学校および義務教育学校39校の校長が出席。提言発表や講演等を通して、職能向上や学校教育の改善・...(2023-11-24) 全て読む
公民科・家庭科連携学習会 社会見極める深い学びを 代ゼミ畠山氏らが講演
道内の公民科、家庭科の有志高校教員で構成する公民科・家庭科連携学習会(代表・佐藤豊記道高校遠隔授業配信センター次長)は11日、ホテルライフォート札幌で第4回学習会を開催した。日本銀行札幌支...(2023-11-24) 全て読む
道視研が函館盲で研究大会 通いたいと思える学校に 個々に応じた指導・支援探究
【函館発】道視覚障害教育研究会(野戸谷睦会長)は16日から2日間、函館盲学校(井上敬校長)で教育研究大会を開催した。研究主題「視覚に障がいのある幼児児童生徒の一人ひとりのニーズに応じた指導...(2023-11-24) 全て読む
科学的に探究する力を 道中理 旭川で第61回研究大会
【旭川発】道中学校理科教育研究会(道中理、小林直人会長)は10月下旬、旭川市内の大雪クリスタルホールで第61回道中学校理科教育研究会旭川大会を開催した。旭川市教育研究会理科部との共催で、全...(2023-11-22) 全て読む
オホーツクへき複連が研究大会 ICTの有効活用探る 1・2、5・6年授業公開 湧別富美小
【網走発】オホーツクへき地・複式教育研究連盟第37回研究大会が15日、湧別町立富美小学校(長﨑祐紀校長)で開かれた。管内小・中学校の教職員約50人が参加。1・2年生、5・6年生の複式授業の...(2023-11-22) 全て読む