トップページ > 記事種一覧 > 記事検索 > 記事詳細画面

恵庭若草小で石狩管内課題研究発表会　ＵＤＬに基づく授業　４年体育学びの地図活用し
（関係団体 2023-11-27付）

主体的に台上前転に取り組む４年生たち

　５年度石狩管内学校課題研究発表会が１１月上旬、恵庭市立若草小学校（市橋英雄校長）で開催された。同校の研究主題「主体的に学ぶ子どもの育成～自立を促す学習環境づくりを通して」のもと、５教科７授業を公開。分科会では、学びのユニバーサルデザイン（Ｕｎｉｖｅｒｓａｌ　Ｄｅｓｉｇｎ　ｆｏｒ　Ｌｅａｒｎｉｎｇ，ＵＤＬ）を議題の中心として活発に意見を交流し、管内全体の授業力向上に向けて研鑚を積んだ。

　研究発表会は、石狩教育研修センター、石狩管内教育研究会、恵庭市教育研究協議会、若草小が主催。石狩教育局や管内の全市町村教委が後援した。

　同校では、研究主題「主体的に学ぶ子どもの育成～自立を促す学習環境づくりを通して」のもと、ＵＤＬの考え方に基づいた授業づくりを展開。カリキュラムの不具合を洗い出し、課題に応じた足場的支援（ＯＰＴＩＯＮ）を提供する「自立を促す学習環境づくり」と、学習目標（ＧＯＡＬ）と学習する意義（ＷＨＹ）を明確化することで振り返りを充実させる「学習の自己調整」について研究を進めている。

　ことしは３ヵ年の研究計画の最終年次。コロナ禍の制約を受けつつも、これまで理論研修会として道教育大学教職大学院の川俣智路准教授による講演や全校研を通じた授業実践の交流などを実施してきた。

　この日は、１～６年生と特別支援学級から算数や国語など５教科７授業を公開。恵庭市教委の岩渕隆教育長や恵庭市議会の小橋薫議員をはじめ、管内教職員ら３００人が参観した。

　うち４年生体育「跳び箱運動」（笹原舞子教諭・松野浩毅教諭・遠藤豊和教諭、児童数１０５人）では、跳び箱を用いた器械運動として台上前転に挑戦した。

　本時は５時間扱いの４時間目。前時までに、単元の学びを見通し、振り返ることができる「学びの地図」で学習の見通しを共有し、練習方法やアドバイスの仕方を学習してきた。

　体育館内では感覚づくりコースから着地、発展コースなど複数の場を設置。また、運動を細分化した掲示物やタイムシフトカメラの活用を通じて、運動操作の過程をガイドする手だてを講じた。

　はじめに、笹原教諭が全体に「前回よりも上手に台上前転ができるようになろう」とめあてを説明。

　準備運動のあと、児童たちは個々の課題に合った場で約３０分間練習に励んだ。

　自分の動きを確認しながら「回れたけれど着地がうまくいかない」「助走をつけ過ぎた」「背中を丸めないといけなかった」「起き上がりが難しい」と課題を発見。友達と考えを出し合って、切り返し系や回転系の基本的な技の習得に取り組んだ。振り返りでは、学習内容を理解しているか、自分に合った学習ができたかを学びの地図に記入した。

　公開授業後の全体会では、市橋校長があいさつ。同校でのＵＤＬ実践を紹介し「日常実践の手掛かりとなる収穫を少しでも持ち帰って」と述べた。

　続いて来賓あいさつでは、授業の様子を目を細めながら見守った岩渕教育長が「本日の成果と課題が管内全体で広く共有され、管内教育の一層の向上や研究実践の活性化につながってほしい」と期待を込めた。

　分科会では「学びのエキスパートを育成するためには」を議題の中心に、主体性を引き出す目標設定や学習環境づくり、評価規準について協議した。