札幌三角山小　第１３回教育研究会　既習を表現に生かして　５年体育　教科等横断的に

（札幌市 2023-12-05付）

　札幌市立三角山小学校（紺野高裕校長）は１１月３０日、同校で第１３回教育研究会を開催した。国語と道徳での既習内容を踏まえた５年生体育を公開。教科等横断的に表現活動を行う児童の姿を踏まえ、授業改善に向けて研究討議を重ねた。

　同校の研究主題は「主体的につながり、未来への可能性を広げる子どもの育成」。　

　パートナー校である宮の森中学校、大倉山小学校、盤渓小学校の教諭、助言者・授業協力者ら約１０人が参加した。

　３日間日程の初日となったこの日は、５年１組体育「やなせたかしの世界観を全身を使って表現しよう」（辰田洋人教諭、児童数２３人）を公開した。

　単元全体を見渡すと、国語や道徳で扱った「やなせたかしの世界観」から着想を得て、自分たちで動きを考えながら表現活動を行う構成となっている。最終時での発表会に向けて、自分たちのイメージを粘り強く表現する姿を目指している。

　国語では、やなせの伝記を読解する中で『アンパンマン』作品が誕生する経緯に触れ、人助けや愛と勇気を大切にするやなせの「正義」を学習。道徳では「生きる喜びやうれしい気持ちを感じるのはどんなときですか？」と自分自身に向き合ったり「将来の夢は何ですか？」と未来の自分像を考えたりした。

　本時は６時間扱いの４時間目。

　前時までに、災害に立ち向かうことを表現しようと、火山の爆発の様子や「急な」「激しい」様子などを表す動きや、災害後の生きる喜びを表現する動きを考えてきた。

　冒頭、辰田教諭はリズムダンスやエアスポーツを通したウオーミングアップを行ったあと「兄弟グループの表現を見て、良いところを見つけて取り入れましょう」と呼びかけた。

　児童は１組６人程度の４グループに分かれ、互いの動きを見せ合った。「ハイタッチがいいね」「バリエーションがある動きだった」などと相手の良さを発見し、どのような動きを取り入れるか相談。「動きを極端にしてみたら？」「回りながらスキップする？」など活発に意見を交換した。

　ねじりジャンプを思いついた班に、辰田教諭は「とりあえずやってみよう！」と促し「動きが大きくなって、さっきよりもっと良くなったね」と称賛した。

　別の班では、山火事で燃え尽きた森林が再生する様子を表そうと、うつ伏せている４人を１人が起こす演出を採用。新たに、集合したり離れたりする動きを取り入れて力強い生命力を表現した。

　練習後は、クロームブックで撮影。オクリンクで送信し、各班の発表を全員で共有した。

　振り返りでは、身体・リズム・空間・人間関係の４点を軸にレーダーチャートで活動を自己評価した。リズムに緩急をつけたり、広くスペースを使ったりと各項目５点満点で点数化。児童たちは「次回は足りなかったところを補いたい」などと感想を述べた。

　授業後は研究討議。より良い授業づくりに向けて、児童の実態に合わせていたか、評価規準、単元の捉え、教師の関わりなどを柱として協議した。

　今後は、１２日に国語、１５日に算数の授業公開を予定している。

(札幌市 2023-12-05付)