アビリンピック・ビル清掃部門で　伊藤さん　金賞に輝く　札幌みなみの杜高支卒業生

（札幌市 2023-12-06付）

　市立札幌みなみの杜高等支援学校（田中進一校長）の卒業生の伊藤直明さんが、１７～１９日に愛知県で開かれた第４３回全国障害者技能競技大会（アビリンピック）のビルクリーニング部門で最高賞の金賞に輝いた。１１月２９日、母校に凱旋帰校し、受賞の喜びを語るとともに、支えてくれた周りの人たちへの感謝を示した。

　アビリンピックは、独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構の主催。電子機器組立や木工、製品パッキングなど２５部門がある。

　ビルクリーニング部門は「カーペット床清掃」と「弾性床清掃および机上清掃」の２つの課題を制限時間内にこなし、正確さやマナーなどを審査する。全国から４５人が出場した。

　伊藤さんは２期生でクリーンアップコースに所属しコース長も務めた。現在は東京美装北海道（株）（札幌）の社員として清掃業務を担う。昨年の北海道大会で金賞に受賞し、ことしの全国大会に初めて駒を進めた。

　２９日に同校に凱旋した伊藤さんを生徒や教職員約５０人が迎えた。

　在学時も含めて３回目の挑戦で全国大会出場を決めたことについて「自分の成長を止めたくないという気持ちがあり、挑戦し続けることができた」と話した。

　実際の競技と同様のデモンストレーションも行った。ごみのたまりやすい所もモップをうまく使って対応するなど、素早く丁寧に作業する姿を披露し、後輩たちからは「同じようにできるようになりたい」といった声が上がった。

　伊藤さんは「みなみの杜での学びが今につながっているし、日々指導してくださった会社の方々に感謝している」と話し、後輩たちには「諦めそうになる時もあるかと思うが、一度クールダウンしてからつぎに進んでほしい」とエールを送った。

　今後は技能検定１級を取得し、ビルクリーニング技能大会への出場も目指すという。

(札幌市 2023-12-06付)