旭川市　全小・中普通教室１２６５室に　９年度まで設置へ　本年度は保健室等３６室整備

（札幌市 2023-12-05付）

　【旭川発】旭川市は、９年度までに全市立小・中学校の普通教室等にエアコンを設置することを計画している。１日の臨時記者会見で今津寛介市長が明らかにしたもの。総事業費は２７億円程度を想定し、本年度は保健室・多目的室の３６室を整備。来年度から普通教室における段階的な整備に着手し、９年度までに計１２６５室に順次設置を進める。整備が完了するまでの緊急的措置として、来夏までに簡易クーラーと遮熱カーテンを導入する。

　今夏、全国で記録的な猛暑が続き、道内各地で８月２３日から熱中症警戒アラートが連日発表された。

　市は学校における熱中症対策を喫緊の課題と捉え、９月初旬から市内全小・中学校に対し、エアコンの設置状況について調査を行った。

　調査の結果、普通教室で１２室、保健室で４８室、図書室やコンピューター室などといった多目的教室で３１室が設置済みとなっており、職員室では全校未設置というものだった。

　また、７割近くの普通教室が南向きで、最上階の教室の平均温度が３７・２度、教室全体の平均温度でも３５・８度に上るほか、普通教室以外の部屋も３５度前後と厳しい状況にあることが分かった。

　結果を踏まえ、市は１日に開会した第４回定例会で、学校保健特別対策事業費補助金として６５８８万円を計上することを先議。本年度までの設置が目標の多目的教室１０室と保健室２６室分の予算を措置し、業者への発注作業等を急ぐことを決めた。　　

　さらに、学校施設冷房設備整備費として３億８３８４万円を計上した一般会計補正予算書を提出。来年度までに設置を目指す多目的教室３３室の整備費用のほか、全ての普通教室にエアコンが設置される間、来夏までに簡易クーラーと遮熱カーテンの導入費用に割り当てる見込みとなっている。

　普通教室での簡易クーラーの使用は一時的なものとし、エアコン設置後は状況に応じて校内での活用を見据えている。

　今回の補正予算書に加算した整備費は来年以降に３億７９００万円を繰り越す予定。来年の第１回定例会で、来年度設置目標の普通教室２１３室と職員室１０室の調査・設計・工事費を計上した補正額と合わせて、来年度の整備を進める。

　来年度までの普通教室と職員室への設置については、受変電設備改修に伴う校舎への影響を考慮し、本年度中に調査を行い、全市立小・中学校７４校１１９６室から影響の少ない１０校２２３室を選出して、先行的に着手していく方針となっている。

　９年度までの普通教室９０９室と職員室６４室の設置については、調査結果を参考に整備計画を決め、順次整備を進めていく見通しとなっている。

　今津市長は「現在、各所で検討している夏休みの延長と合わせて、子どもたちの教育環境を守っていきたい」と、道教委や市教委の方針と協働していきながら暑さ対策をしていく考えを示した。

(札幌市 2023-12-05付)