冷房整備へ２６億円を追加補正　高・特全校に簡易冷房　知的障がい等２５校優先整備

（道・道教委 2023-12-06付）

　道は５日、開会中の４定道議会に補正予算案を追加提案した。道立学校の空調整備費に２６億４３００万円を計上。来夏に備え、全ての道立高校・特別支援学校の普通教室・寄宿舎に簡易型冷房を設置するほか、７年度の稼働に向け特別支援学校２５校の普通教室の冷房整備に着手する。特別支援学校の普通教室に関しては今後、複数年をかけて全学校での整備を目指すとしている。

　今夏の猛暑を受けて道内の各自治体で学校の冷房整備が加速化した。供給量が不足する可能性も見据え、道教委は全道の需要状況を調査し、１１月下旬に業界団体との情報交換や要請活動を実施。必要な物品の確保が可能と判断し、予算措置に踏み切ることとなった。

　補正予算案に占める教育関連の事業は道立学校の空調設備整備のみ。２６億４３００万円のうち、２３億４０５０万円が繰越明許費となる。５年度当初予算と議会冒頭で提案した補正予算案を含む教育費の総額は３８３０億６９３３万円。

　簡易型冷房の購入には５億８７２６万円を計上し、道立高校１９０校の普通教室に各２台、道立特別支援学校６６校の普通教室と寄宿舎に各１台設置する。主に屋外に暖気を排気できる窓枠型のスポットクーラーの購入を想定している。

　室外機の設置などを伴う冷房整備には２０億５５７６万円を計上。特別支援学校２５校（肢体不自由５校、知的障がい２０校）の普通教室に１台ずつ整備する。７年度の稼働に向けて本年度中に実施設計に着手する計画で、２～５月の設計、夏～年度末にかけての工事完了を目指す。電圧の確保など電気設備の調整を行うため、実施設計の段階で必要な調査も行う。

　特別支援学校では「暑い」「つらい」など自己表現が難しい子ども、自分で水分補給ができない子どもが多く在籍し、命や健康への影響が大きいことから特別支援学校での冷房整備を優先的に整備する。

　高校においては大規模改造工事として取り組む従来の老朽化対策と併せ、順次普通教室の冷房を整備するもよう。国は公立学校における空調設置整備に要する経費の３分の１を国庫補助としているが、高校・中等教育学校（後期課程）においては対象外としていることも背景にあり、道と道教委は補助制度の充実を国に求めている。

(道・道教委 2023-12-06付)