十勝局 第2回EBE協議会 実情踏まえ授業改善を 広尾高、広尾小が実践発表
(道・道教委 2023-12-13付)

 【帯広発】十勝教育局は4日、道教委のエビデンスに基づく資質・能力育成事業のもと、第2回EBE協議会をオンラインで開催した。管内各校種のミドルリーダーおよび教務主任等約150人が参加。説明や実践発表等を通して、自校の課題解決に向けた検証改善サイクルの強化・充実を目指し研鑚を積んだ。

 道教委の新規事業“子どもたちの未来を拓く”学びのトランスフォーメーション推進事業の一環である同事業は、小中高の学力や学習状況の経年変化、校種間の連続性を分析するとともに、ほっかいどうチャレンジテストやCBAテストのCBT化を推進するもの。

 EBE協議会は、組織的な学力向上等に向けた校内体制の整備、具体的な授業改善の方法などに関して説明・協議し、児童生徒に必要な資質・能力の育成に資することが目的。初回は各校種の管理職に対して実施したが、2回目となる今回はミドルリーダーおよび教務主任らを対象とした。

 はじめに、十勝局の児玉祥洋義務教育指導班主査が、各校種の学力調査等の結果をもとに、管内教育の特徴や分析結果の具体的な活用方法などを説いた。管内における学力状況の分析を踏まえ、知識・技能を活用してより深い理解を促す学習活動や指導と評価の一体化の充実、ICTを活用して考えをまとめる活動などを、授業改善の方向性として提示。「学校や地域の実情に応じた独自の視点を交えながら分析を進めてほしい」と呼びかけた。

 続いて、事業推進校の広尾高校、広尾町立広尾小学校が実践発表した。

 広尾高の粒針崇史教諭は、3、4年度の学習状況等調査の結果をもとに実施した校内研修を説明。現状と課題を全教職員と共有し、スクール・ミッションや重点教育目標を分析の基準に据え、授業改善に向けて具体策を協議したことを振り返った。

 また、6年度から3年生1単位で開講する「広尾地域学」に関しては、地域住民を講師に招き、講座や巡検等を実施することを説明。地域学と並行して、各教科で探究的な学びに向けた授業改善を図ることを示した。

 広尾小の喜多徹教頭、水上潤教諭、宮下承久教諭は、教務部・研修部の各分掌で学校改善プランを立て取組を推進していることを説いた。うち研修部ではチャレンジテストや民間の学習調査等を活用した成果確認や、定期的なアンケート調査によって学習の定着率を分析。教職員の研修においては、年間を見通した研修計画を立て、アンケート調査によってPDCAサイクルの確立を図っていることを示した。

 また、在局指導や各教員が受講した研修の内容などを「研修だより」にまとめ、書面とデータを全教職員に共有。「一人が得た知識を一人だけのものにせず、共有することで児童の学びに還元していきたい」と話した。

 このあと「各種データに基づく自校の課題改善に向けた取組」「検証改善サイクルの強化・充実に向けた自身の役割や具体策」をテーマに協議した。 

(道・道教委 2023-12-13付)

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