全国高校ビジネスアイデア甲子園　札幌啓北商高　籏谷さんが審査員特別賞　節水「エコなべ」で麺ゆで

（札幌市 2024-01-19付）

籏谷さん

　高校生が新しい商品やサービスを提案する「第２２回全国高等学校ビジネスアイディア甲子園」（大阪商業大学、毎日新聞社主催）で、市立札幌啓北商業高校の籏谷実優さん（２年）が考案した、少量の水で麺をゆでることができて節水につながる「エコなべ」が審査員特別賞を受賞した。４人分の仕切りがある湯切りを内蔵するなどといった工夫も加え、市場ニーズを捉えたことなどが評価された。

　ビジネスアイディア甲子園は、高校生が社会の課題を解決する方法の提案を競い合うもので、ことしは全国１２４校から６５０１件の応募があった。同校では毎年、商業科目「マーケティング」の授業の一環で、夏休みの宿題として課しており、２年生が約２３０品を出品した。

　籏谷さんの「エコなべ」のアイデアは、調理中に大量の水を使うことがもったいないと感じたことからひらめいた。

　形状を逆三角形にし、麺が水に漬かる表面積を大きくしたことで、少量の水でゆでることができるのが特徴。また、保護者３０人を対象にしたアンケート調査で、通常の鍋だと麺が長くて入りきらないという意見が多かったことから縦長にした。

　利便性も考え、４人分の仕切りがついた湯切りを内蔵したほか、片手で持てるように取っ手を付けるなどの工夫を加えている。

　試作品も作り、書類審査を突破し、昨年１２月に大阪市で開かれた最終審査会で５分間のプレゼンテーションで商品をアピールした。新規性や市場性が高いことなどが評価され、準グランプリに次ぐ審査員特別賞に輝いた。同校生徒の入賞は２年連続。

　籏谷さんは「優勝を目指していたので悔しい気持ちもあるが、これまでの学びを生かせたと思う。プレゼンテーションが苦手だったが、大きな舞台に立てる良い経験になった」と話した。

　また同校は、優秀な作品を多く出品した学校に贈られる学校賞も受賞した。

(札幌市 2024-01-19付)