リーディングDX指定校冬季研修会 生成AI等の活用探る 札幌中央小と中央中が実践発表
(札幌市 2024-01-18付)

リーディングDX冬季研修会
リーディングDX冬季研修会

 文部科学省のリーディングDXスクール事業指定校・札幌市立中央小学校(冨波修校長)と中央中学校(秀島起也校長)は昨年12月下旬、中央中で冬季小中合同研修会を開催した。両校の教員が実践発表し、オンライン交流や生成AIの活用といった教育実践を披露した。

 研修会は、両校が取り組んでいる効果的なICT活用実践を札幌市内のみならず、北海道、全国へ発信しようと夏季に引き続き実施。会場、オンラインを合わせて150人の教員らが参加した。

 はじめに、両校の担当教諭が実践発表。

 中央小は、中里彰吾教諭が「協働的な学びの創出と教育における生成AIの利活用」について説明。

 本年度開始した埼玉県久喜市立久喜小学校とのオンライン探究学習については「なぜ埼玉・札幌と交流するのか」という必要感を持たせるため「題材との出合いを工夫する必要がある」と強調。

 具体的な例として「地域の伝統について、学びを深めるために他地域のことを聞いてみよう」「都道府県魅力度ランキング45位の埼玉県の魅力を上げるため、ランキング1位の北海道に聞いてみよう」などを挙げ、児童のモチベーションを高める学習展開の工夫に取り組んだことを示した。

 生成AIの利活用は、保護者への周知、児童への事前指導を行った上で授業での活用を推進している。

 6年生国語では、秋の俳句を創作し、画像生成AIを使って挿絵を作る活動を展開。チャットGPTが生成した俳句を自らの創作に生かしたり、想像どおりの挿絵にするため指示文を試行錯誤したりする姿が見られたという。

 3年生国語では、画像生成AIを使ってことわざや故事成語を画像で表す活動を取り入れた。「この画像は何のことわざだろう」とクイズ形式で交流する場面を設け、様々な解釈の違いがあることを実感させた。

 中央中は、管野陽和教諭、小野竜星教諭、半澤亮主幹教諭の3人が発表。

 管野教諭は、1・2年生保健体育のダンスの単元で、各グループのダンスを動画に収め、生徒の変容や成長を見える化する「学習ログ」として活用した事例を紹介した。

 小野教諭は、3年生数学「円」の単元で、カメラアプリを使った実験を通して課題を生み出し、図形・グラフ作成アプリなどを活用しながら協働的に解決する実践を説明した。

 半澤主幹教諭は、2年生技術・家庭における生成AIとの「付き合い方」を題材とした授業実践を披露。「生成AIの使い方について社会でも答えが出ていない中、学習内容をもとに生徒が今後の生活で意識しようとする姿が芽生えたことが一番の成果」と述べた。

 このあと、放送大学の中川一史教授が「Next GIGAと子ども・教師・学校~5つの壁を超えて」、広島工業大学教授・宮城教育大学名誉教授の安藤明伸氏が「個別最適な学びを支える思考力と学習ログの必要性」と題して講演した。

(札幌市 2024-01-18付)

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